こんにちは、海技塾です!
海技士試験の合格に向けて、日々の勉強、本当にお疲れ様です。参考書と向き合い、過去問を解き進める中で、少しずつAIを使いこなすコツが掴めてきたでしょうか?
これまでの連載では、ChatGPTやGeminiといった無料AIを「壁打ち相手」にして、難解な専門用語を噛み砕いたり、計算プロセスの解説を受けたりする方法をご紹介してきました。
しかし、これらの方法にはどうしても避けられない「唯一の弱点」がありました。それは、第2話でも詳しくお話しした「AIはもっともらしい嘘をつく(ハルシネーション)」という問題です。AIの分かりやすい解説を読みつつも、「これ、本当に合っているのかな……」と、最後は毎回お手元の参考書を開いて裏付け(ファクトチェック)を取る作業に、少し手間に感じた方もいるかもしれません。
「もし、自分が持っている信頼できる参考書や、自分で書き溜めた勉強ノートの内容『だけ』を教科書にして、絶対に嘘をつかずに答えてくれるAIがいたらいいのに……」
そんな受験生の究極の理想を叶えてくれる画期的な無料ツールが、今回ご紹介するGoogleの「Gemini Notebook(旧NotebookLM(ノートブック・エルエム))」です! これを使えば、あなたの本棚にある分厚い参考書が、「あなたのためだけに24時間いつでも答えてくれる専属AI参考書」に生まれ変わります 。
1. Gemini Notebookとは?一般的なAIとの「決定的な違い」
Gemini Notebookは、Googleが提供している無料のAI文書作成・検索アシスタントです。最大の特長は、「あなたがアップロードした資料(ソース)の情報だけをベースにして回答する」という点にあります。
一般的なAIと何が違うのか、その仕組みを比較してみましょう。
- 一般的なチャットAI(ChatGPTなど): インターネット上の広大な海から答えを探してくるため、時には間違った情報や、日本の海技士試験の範囲から外れた海外の難しいルールを混ぜて回答してしまうことがあります(嘘をつくリスク)。
- Gemini Notebook: あなたが「これを使って教えて」と手渡した資料という、限られた本棚の中だけで回答します。そのため、嘘(ハルシネーション)を極限まで抑え、極めて正確で信頼性の高い回答を返してくれます。さらに、回答の元になった情報の「資料のどこにそれが書いてあるか」をピンポイントで教えてくれるため、確認作業が劇的に楽になります。
2. 超簡単!自分専用「AI参考書」の作り方(3ステップ)
Gemini Notebookを使うための準備は、驚くほど簡単です。Googleアカウントさえあれば、スマートフォンやパソコンから、今すぐ完全無料で使い始めることができます。
【ステップ1】Gemini Notebookにアクセスして「ノートブック」を作成
Googleで「Gemini Notebook」と検索して公式サイトにアクセスし、ログインします。「新しいノートブック」というボタンを押して、あなた専用の勉強部屋(フォルダのようなもの)を新しく作ります。
【ステップ2】あなたの参考書や自作ノートを「アップロード」する
画面に「ソースの追加」というメニューが表示されます。ここに、あなたが普段使っている学習資料をアップロードします。対応している形式は非常に幅広いです。
- PDFファイル: スキャンした参考書のページや、国交省が公開している過去の試験問題・模範解答など。
- Google ドキュメント / スライド
- テキスト: 自分でスマホのメモ帳などに書き溜めた自作ノート。
- WebサイトのURL: 海技塾.comの解説記事のリンクなどをそのまま貼り付けることも可能です。
【ステップ3】AI参考書に「質問」してみる
アップロードが終わると、AIがその資料の内容をすべて読み込み、瞬時にあなただけの「専属AI参考書」が完成します。あとは画面下部にあるチャット欄から、アップロードした資料について質問するだけです!
3. コピペで使える!Gemini Notebook専用プロンプト(指示出し)の型
Gemini Notebookは、あなたが手渡した資料をベースにしているため、指示出し(プロンプト)も非常にシンプルかつ強力になります。ぜひ以下のプロンプトをコピーして使ってみてください。
① 資料から「要約・重要ポイント」を抜き出させる
分厚いPDFや過去問の解説をアップロードした際、どこが重要なのかを整理させます。
「アップロードした参考書(資料)を元に、〇〇(例:レーダーの仕組み / 推進器の効率)について、試験に出やすい最重要ポイントを3つにまとめて、箇ラ書きで分かりやすく教えてください。」
② 自作のノートから「弱点クイズ」を作ってもらう
自分がアップロードしたまとめノートや過去問データから、オリジナルのクイズを出題させます。
「私がアップロードしたソース(ノート)の内容から、〇〇(例:海上衝突予防法)に関する一問一答形式のクイズを5問作成してください。私が回答するまで、正解と解説は表示しないでください。」
③ 分からない用語を「資料の記述ベース」で解説させる
参考書を読んでいて、説明が難しくて引っかかった箇所を、その参考書の文脈に沿って優しく解説させます。
「アップロードしたPDFの〇ページにある『〇〇』という説明が難しくて理解できません。この資料の文脈を踏まえつつ、初心者がイメージしやすいように、身近な例え話を使って補足解説してください。」
💡 Gemini Notebookを使いこなすコツ:「引用元」の数字リンクをタップしよう
Gemini Notebookが回答した文章の語尾には、小さな数字のリンク(「」など)が表示されます。 ここをタップすると、アップロードした資料の「まさにその記述がある原文の場所」が画面にポップアップ表示されます。
「AIが分かりやすく教えてくれたけれど、実際の試験向けの正確な文章はどうなっているかな?」と思ったら、その数字リンクをタップするだけで、元のPDFやテキストの該当箇所へ一瞬でジャンプできるのです。これにより、「AIによる分かりやすい噛み砕き」と「本物のテキストでの正確な知識確認」の往復が、わずか数秒で完結します。
孤独な勉強机の上に、あなたの参考書を完璧に読み込み、いつでも隣で優しく教えてくれる「超優秀な相棒」が加わる。これが、AI時代の新しい海の学び方です。
ぜひ、ご自身の自作ノートや過去問PDFをGemini Notebookに入れて、あなただけの「最強の学習パートナー」を育ててみてくださいね!
いよいよ次回は、この連載の最終回です。 「第10話:まとめ・『AI×海技塾』で切り拓く、これからの船員の新しい学び方」をお届けします。これからのDX時代を生き抜く船員として、AIとどう付き合い、どうキャリアを磨いていくべきか、熱いメッセージをお届けします。最後までどうぞお楽しみに!
