三級海技士(機関)機関1 筆記問題 その13

問題

ディーゼル機関における危険速度(危険回転速度)とは、どのようなことか。また、危険速度で機関を運転すると、どのような害が生じるか。それぞれ述べよ。 【出題:23/07,26/04(平成/月)】

※ 出題時期については,平成22年10月~平成29年4月定期試験について調査したもの

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危険速度とは,簡単に言うとディーゼル機関の特定の回転数での運転時の振動とディーゼル機関の出力を受ける軸系の固有振動数が共振する回転速度をいいます。

この状態になると,ディーゼル機関のクランク軸,出力軸系には,大きなねじり振動がかかり,船体には,強い振動を生じます。

以下の写真は,この振動によってクラック(亀裂)の発生した液面計です。

その他にも支障が出ますので,参考書を確認してみてください。

ちなみに,ディーゼル機関の回転数によって,船体の振動が大きい場所が変化します。

これも船体の固有振動数とディーゼル機関の振動が共振しているものと考えられます。

船体構造は,均一でなく,強度もそれぞれ異なり,部材の方向も異なるため,その箇所特有の振動と振動の方向があります。

船に乗ったら,それをよく観察してみましょう。