三級海技士(機関)機関二 筆記問題 甲板機械(1)スラスタ

三級海技士(機関)機関二 筆記問題 甲板機械(1)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関二に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題1

甲板機械に関する次の問いに答えよ。

(1)バウスラスタは,どのようにしてスラストを発生するか。【出題: 24/10,26/10】
(2)バウスラスタの機構及び機能は,それぞれどのようなものか。 【出題:23/04】

問題2

サイドスラスタに関する次の問いに答えよ。【出題:24/04,25/10,27/07,28/10】

(1) サイドスラスタは,どのような装置か。

(2) サイドスラスタの原動機には,どのようなものが使用されるか。

(3) サイドスラスタが有効にその能力を発揮するのは,船速が大きい場合か,それとも船速が小さい場合か。

問題3

〔問題〕

プロペラ式サイドスラスタにおいて,可変ピッチプロペラを用いると,固定ピッチプロペラを用いる場合に比較して,どのような利点があるか。 【出題:27/02】

〔類似〕

甲板機械に関する次の問いに答えよ。

(1) プロペラ式サイドスラスタにおいて,固定ピッチプロペラを用いる場合に比較して,可変ピッチプロペラを用いる場合の利点は,何か。(2つあげよ。)【出題:22/10,24/02,25/04】

解説

スラスタは,船首又は船尾位置の水面下に横方向にトンネル部を設けて,その内部にプロペラを装備し水流を右舷又は左舷方向に吐出することによって,船首や船尾を横方向に移動させる装置である。また,プロペラの変わりにポンプによってジェット水流を吹き出してスラストを得る方式のものがある。

スラスタは,船舶の停止時又は微速航行時における回頭や離着岸時の操船性の向上を図るために用いられる。この装置の内,船首位置に設置されるものをバウスラスタ,船尾位置に設置されるものをスタンスラスタと言う。

プロペラを用いたスラスタの駆動源及び機構は,プロペラが固定ピッチか,可変ピッチかによって異なってくる。

プロペラが固定ピッチの場合,プロペラの回転方向及び回転数を駆動側で制御しなければならないため,逆転減速装置付きのディーゼル機関や回転数や回転方向が制御しやすい油圧モータ,電動モータなどが用いられる。

可変ピッチの場合は,プロペラの回転数は一定で良いため,ディーゼル機関(逆転機不要)や電動モータなどが用いられる。

以上のような点を考慮し,解答してください。

参考写真(バウスラスタ)

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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