三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ(6)
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
プロペラに関する次の問いに答えよ。
(1) キーレスプロペラの利点は、何か。 【出題:24/04,28/07,29/10】
(2) 可変ピッチプロペラの欠点は、何か。 【出題:24/04,28/07,29/10】
解答
(1) ① トルク変動によって生じるキー溝底の隅のクラックのおそれがない。
② プロペラ軸のテーパ大端部に円周方向に発生するクラックを回避しやすくなる。
③ 押込みによるボスのストレスが全周にわたって均一となるため,強度的な設計の信頼性が増す。
④ キー及びキー溝の工作の手間が不要となる。
⑤ プロペラの着脱に油圧装置を使用することにより,プロペラの押込み,引抜き作業が容易になる。
(2) ① 機構が複雑で製作費が効果である。
② ボス部が大きくなり,プロペラ効率が低下する。
③ ボス部付近の羽根幅が狭くなり強度を保つために厚さを増す必要があり,羽根根元部でキャビテーションを起こしやすい。
④ ボス部の長さが長くなり,特に1軸船では舵前縁部との隙間が少なく形状を最良とすることが難しい。
⑤ 半径方向におけるピッチ分布が羽根の回転角度ごとに変化してくる。回転角度が大きくなると,ピッチの半径方向の変化が激し過ぎて効率を低下させる。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年