三級海技士(機関)機関一 筆記問題 ディーゼル機関(56)低速運転

三級海技士(機関)機関一 筆記問題 ディーゼル機関(56)低速運転

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

ディーゼル機関の長時間の低速運転は,避けたほうがよい理由をあげよ。【出題:23/04】

解答

① 低負運転時にはシリンダ内の発生熱量が少なく,シリンダ壁面温度も低いため燃焼ガスの温度が低くなる。さらに燃料噴射ポンプはプランジャの突き上げ速度も遅く,噴射量も少ないために霧化が不十分となりやすく,不完全燃焼を起こしやすい。不完全燃焼によって生じたカーボンはシリンダとピストンリングの摩擦面に侵入してその摩耗を早める。シリンダが摩耗すると漏えい空気量が多くなり,圧縮圧力,温度を低下させ,燃焼状態をさらに悪くする。

② 燃料噴射量が少ないために各シリンダの出力が不揃いになりやすく,機関の回転がばらついたり,ミスファイア(失火,不燃焼)を起こす場合がある。

③ 高負荷時に比べてシリンダ注油量が多めになり,アルカリの析出による摩耗を促進する。

④ 排気ガス温度が低いために低温腐食が発生しやすくなるため。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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