三級海技士(機関)機関一 筆記問題 ディーゼル機関(53)燃料噴射ポンプの調整
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
ディーゼル機関の運転中,次の(1)及び(2)の現象が現れた場合,燃料噴射ポンプ(ボッシュ式)については,どのように調整すればよいか。また,調整後どのようなことに注意しなければならないか。それぞれ記せ。ただし,燃料噴射ポンプの調整不良のほかは,良好な状態とする。【出題:26/07】
(1) 各シリンダの最高圧にふぞろいがある。
(2) 各シリンダの排気温度にふぞろいがある。
解答
(1) 【調整方法】カムとローラの隙間を調整ボルト又はポンプ取付け部のライナによって調整し,噴始めの時期を変える。最高圧が低い場合は,カムとローラの隙間を少なくすればよい。大きく調整する場合は,カムのセレーションのかみ合わせを変えて噴射始めの時期を加減する。最高圧が低い場合は,カムの位置を前進方向にずらす。
【調整後の注意点】この調整を行った場合,(2)の場合も同様であるが,早い機会にインジケータ(指圧器),筒内圧力計測装置等を用いて指圧線図を確認することが必要である。また,この調整によって噴射量の多少にも関係するため(2)の調整をする。
(2) 【調整方法】噴射終わりの時期を燃料加減軸とラック棒を接続している調整ねじで調整する。
【調整後の注意点】燃料ハンドルを停止位置に置いて,すべての燃料ポンプのラック位置が停止位置にあることを確かめなければならない。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年