はじめに

以下は,三級海技士(航海)の筆記試験 「運用」の船体構造、整備、復原性及び損傷制御(5)に関する過去問題です。

※ 出題は,平成28年2月から令和7年2月定期試験まで(10年分)の問題を調べたものです。(類)は,類似の問題を示します。解答は一緒です。平成=H,令和=Rに年/月を数字で示しております。

喫水等、計算問題(続き)

バラストの移動

〔問題〕

船首喫水10.50m,船尾喫水11.50mの船が,後方のバラストタンクから前方(船首尾線方向)120mのところにあるバラストタンクにバラスト水を移動して,等喫水としたい場合,何トンのバラスト水を移動すればよいか。ただし,MTC(トリムを1㎝変えるのに要するモーメント)は1105t-m{11050kN・m}である。
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H21/02】

上記のような問題様式で、以下の値で問題が出題されています。

〔H29/10〕船首喫水6.70m,船尾喫水7.40m,後方→前方110mのバラストタンクへ,MTC:260t-m{2600kN・m}

〔R02/02〕船首喫水5.72m,船尾喫水7.04m,後方→前方126mのバラストタンクへ,MTC:310t-m{3100kN・m}

〔R05/04〕船首喫水5.68m,船尾喫水6.85m,後方→前方130mのバラストタンクへ,MTC:305t-m{3050kN・m}

〔R05/10〕船首喫水6.05m,船尾喫水7.60m,後方→前方108mのバラストタンクへ,MTC:345t-m{3450kN・m}

船体の傾斜

〔問題〕

静水中で,船幅28mの船が2°傾斜している場合,傾斜した側の船体中央部における喫水は9.0mである。このとき,反対げんの船体中央部の喫水はいくらか。
【出題:H21/04】

上記のような問題様式で、以下の値で問題が出題されています。

〔H29/10〕船幅30m,傾斜1°,喫水11.07m

〔R02/10〕船幅31m,傾斜1.5°,喫水11.62m

〔R04/10〕船幅25m,傾斜1.5°,喫水6.55m

積荷による喫水変化

〔問題1〕

長さ120m,幅24m,深さ8mの箱形船が5.50mの等喫水で海上に受かんでいる。この船の中央部に400トンの貨物を,その重心位置が船の中央を通る鉛直線上になるように積んだ場合の次の(1)及び(2)を求めよ。ただし,海水の比重は1.024{密度1024kg/cm3}である。
(1) 毎センチ排水トン数 (2) 貨物積載後の平均喫水
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H21/04】

上記のような問題様式で、以下の値で問題が出題されています。

〔H28/02〕長さ125m,幅18m,深さ9m,5.10mの等喫水,海水の比重:1.024{密度1024kg/cm3}

〔R01/10〕長さ124m,幅18m,深さ9m,6.80mの等喫水,海水の比重:1.025{密度1025kg/cm3}

〔R03/10〕長さ154m,幅22m,深さ10m,7.15mの等喫水,海水の比重:1.025{密度1025kg/cm3}

〔R06/07〕長さ165m,幅27m,深さ12m,6.35mの等喫水,海水の比重:1.025{密度1025kg/cm3}

〔問題2〕

長さ125m,幅25mの箱形船が船首喫水4.90m,船尾喫水5.80mで比重1.023{密度1023kg/cm3}の海水中に浮かんでいる。この船へ貨物を積んだところ船首喫水5.30m,船尾喫水6.40mとなった。積んだ貨物の重量{質量}を求めよ。ただし,積荷前後における船の左右の傾斜はないものとして計算せよ。
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H22/07】

上記のような問題様式で、以下の値で問題が出題されています。

〔H28/04〕長さ120m,幅21m,船首喫水3.77m,船尾喫水4.87m,海水比重1.025{密度1025kg/cm3},貨物を積んだところ船首喫水4.13m,船尾喫水5.07m

〔H30/10〕長さ160m,幅23m,船首喫水5.55m,船尾喫水6.23m,海水比重1.024{密度1024kg/cm3},貨物を積んだところ船首喫水5.92m,船尾喫水6.74m

〔R03/02〕長さ116m,幅19m,船首喫水5.20m,船尾喫水5.90m,海水比重1.024{密度1024kg/cm3},貨物を積んだところ船首喫水5.70m,船尾喫水6.20m

〔問題3〕

甲丸は,A港に入港したときの平均喫水は7.05mで,同港で燃料油300トン,貨物750トンを積載した。次の問いに答えよ。ただし,停泊中の燃料油及び清水等の消費は考慮しないものとし,また,燃料油等の積載後もTPC(毎cm排水トン数)及びMTC(トリムを1㎝変えるのに要するモーメント)は変わらないものとする。
(1) TPCを20.0トンとして,A港を出港するときの平均喫水を求めよ。
(2) 燃料油及び貨物の積込み終了時,0.80mの船首トリムになる予定である。清水を船首水倉(forepeak tank)から船尾水倉(after-peak tank)に移動し,イーブンキールとするためには,何トンの清水を移せばよいか。ただし,MTCは145.0t-m{1450kN・m},両水倉間を移動する清水の重心の水平移動距離は120mである。
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H21/07】

上記のような問題様式で、以下の値で問題が出題されています。

〔H29/07〕平均喫水5.60m,燃料油380トン,貨物840トン,(1) TPC:32.0トン,(2) 0.50mの船首トリムMTC:276.0t-m{2760kN・m},水平移動距離170m

〔R01/07〕平均喫水5.90m,燃料油200トン,貨物550トン,(1) TPC:26.0トン,(2) 0.40mの船首トリムMTC:215.0t-m{2150kN・m},水平移動距離140m

〔R04/07〕平均喫水7.45m,燃料油300トン,貨物800トン,(1) TPC:25.0トン,(2) 0.70mの船首トリムMTC:215.0t-m{2150kN・m},水平移動距離140m

〔R06/02〕平均喫水7.15m,燃料油250トン,貨物700トン,(1) TPC:27.0トン,(2) 0.50mの船首トリムMTC:310.0t-m{3150kN・m},水平移動距離130m

〔問題4〕

船の甲板上の60トンの貨物を前部から後部(船首尾線方向)へ90m(貨物重心の移動距離)移動した場合のトリムの変化量を求めよ。ただし,MTC(トリムを1㎝変えるのに必要なモーメント)は400t-m{4000kN・m}である。
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H28/10】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、出題されております。

〔R02/04〕65トン,前部から後部(船首尾線方向)へ75m,MTC:245t-m{2450kN・m}

〔R04/10〕85トン,前部から後部(船首尾線方向)へ80m,MTC:364t-m{3640kN・m}

〔問題5〕

長さ150mの船の浮面心から前方35mの所に400トンの貨物を積むと,前後部の喫水はそれぞれ何㎝変化するか。ただし,浮面心は船の中央から2m後方にあり,TPC(毎cm排水トン数)は25トン,MTC(トリムを1㎝変えるのに必要なモーメント)は160t-m{1600kN・m}で,これらの値は積荷によって変わらないものとする。
注:{ }内の数値は,SI(国際単位系)によるものである。計算はどちらで行ってもよい。
【出題:H24/04】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、出題されております。

〔H30/07〕長さ170m,後方40m,200トン,浮面心:船の中央から10m後方,TPC:26トン,MTC:215t-m{2150kN・m}

〔R02/10〕長さ180m,後方45m,240トン,浮面心:船の中央から13m後方,TPC:29トン,MTC:220t-m{2200kN・m}

〔R04/02〕長さ180m,後方40m,250トン,浮面心:船の中央から12m後方,TPC:30トン,MTC:210t-m{2100kN・m}

〔R06/04〕長さ195m,後方30m,270トン,浮面心:船の中央から8m後方,TPC:44トン,MTC:385t-m{3850kN・m}