まずは，顕著な物標を目標に選ぶのは，基本ですが，もう一つ，正横変針を心がけることも大切です。では，なぜ正横変針なのでしょうか？
変針の際，いちいち位置を入れていたら変針が間に合わなくなりますね。
正横変針の利点は，一定の離岸距離を保ちながら変針できること，変針前も変針後も1つの物標で自船の位置を把握できることなどがあります。

航路のどの辺りを通るようにしたら良いでしょうか？
目標物の設定は，どのようにすれば良いでしょう？
コースラインを引く場合，どのようなコースラインとすれば良いでしょう？
最狭部は，どのような航路とすれば良いでしょう？
どのような時間帯を選ぶべきでしょうか？
① 可航区域の中央を流れと一致するような航路とする。
② 適当な避険線，船種目標が設定できる航路とする。
③ できる限り平易な航路とする。推薦航路がある場合これを利用する。
④ 最狭部はできるだけ遠くから，その両岸を結んだ線に直角になるような航路とする。
⑤ 潮流の弱い時間帯に通航する計画とする。

答えは，以下の中から6つ選ぶのですが，これらの項目は，離岸距離を選定する時だけでなく，他の時にも言えることが多いので，よく覚えていてください。
船舶の大小
船舶交通の輻輳度
自船の速力
障害物の有無
自船の操縦性能
航路標識の有無
航程の損失の大小
視界及び天候の良否
船位想定の難易
風・潮流等の外力影響
昼夜の別
当直者の技量
海図測量の精粗
水深等の沿岸の地形

レーダーには，どのような機能があるでしょうか。
ヒントは，可変距離環，平行カーソル，電子カーソル、そして電子カーソルのオフセットです。
この機能を活用して暗岩と本船の船首線若しくは本船からの距離を保つようにします。
それぞれの機能がどのようなものかを良く理解して活用しましょう。

・平行カーソルを利用する方法：小島Aと暗岩との針路に平行な距離をbとする。カーソルを距離bに安全距離s加えた距離b+sに設定し，カーソル内に小島Aが入らないように距離を保ち航行する。
・可変距離目盛を利用する方法：可変距離目盛をそのまま避険円として利用する。小島Aと暗岩との距離をdとする。レンジマーカーのレンジを距離dと安全距離sを加えた値d+sに設定し，このレンジマーカー内に小島Aが入らないように距離を保ち航行する。

推薦航路（Recommended Track）とは，水路図誌の発行者が，地形，海潮流その他自然的条件のみを考慮して，航海の安全のために推薦した航路で，黒色の実線又は破線で記録してあります。
下の図は，備讃瀬戸北航路と備讃瀬戸南航路の西側の推奨航路との関係を示したものです。
例えば，上の図で，西側から東に向かっていたとします。推奨航路上を航行していたらどうなるでしょう。まず，ブイに衝突する可能性がありますね。そして，最後まで推奨航路上を航行していると備讃瀬戸南航路にスムーズに入れませんね。
また，最初に述べた通り，地形，海潮流その他の自然的条件のみを考慮されていますから，他船との行き会い，横切りなど交通的条件を考慮していません。
このため，海上衝突予防法及び海上交通に関する航法については，その海域ごとの関係法令を参照しなければなりません。
推薦航路は，本来，ある程度の可航幅をもっているのですが，それを省略して，1本の標準的な航路線で示してあるので注意が必要です。

この問題，答えを見れば，当たり前じゃん，みたいな感じなんですけどね。
(1)に関しては，びょう地の状況が出来る限り手前から把握できるということですよね。
(2)は，大きい方がいいですか？小さいほうがいいですか？操船のことを考えれば・・・
ですね。