はじめに

以下は,三級海技士(航海)の筆記試験 「法規」の船員労働安全衛生規則に関する過去問題です。
※ 出題は,平成28年2月から令和7年2月定期試験まで(10年分)の問題を調べたものです。(類)は,類似の問題を示します。解答は一緒です。平成=H,令和=Rに年/月を数字で示しております。

船員労働安全衛生規則

〔問題1〕

船員労働安全委衛生規則に規定する「船内安全衛生委員会」は,船舶所有者に意見を述べるため,どのような事項を調査審議しなければならないか。3つ述べよ。 【出題:H31/04,R03/02(「3つ述べよ」なし)】

〔問題2〕

船員労働安全衛生規則に定める安全担当者は,次に掲げる事項のほかどのようなことを行わなければならないか。2つあげよ。
(1) 作業設備及び作業用具の点検及び整備に関すること。
【出題:H28/02(3つあげよ)】
(2) 作業の安全に関する教育及び訓練に関すること。
【出題:R04/04,R06/02】
(3) 発生した災害の原因の調査に関すること。
【出題:H28/02(3つあげよ),H28/10】
(4) 作業を行う際に危険な又は有害な状態が発生した場合又は発生するおそれのある場合の適当な応急措置又は防止措置に関すること。
【出題:H28/10,R04/04】
(5) 安全管理に関する記録の作成及び管理に関すること。
【出題:H31/02,R06/02】
(6) 安全装置,検知器具,消火器具,保護具その他危害防止のための設備及び用具の点検及び整備に関すること。 【出題:H31/02】

ヒント

問題では,(1)~(4)の内2つが示されるので,その他の項目を2つ又は3つ選んで解答する。

(安全担当者の業務)
第五条 船舶所有者は、次に掲げる事項を、安全担当者に行わせなければならない。

一 作業設備及び作業用具の点検及び整備に関すること。
二 安全装置、検知器具、消火器具、保護具その他危害防止のための設備及び用具の点検及び整備に関すること。
三 作業を行う際に危険な又は有害な状態が発生した場合又は発生するおそれのある場合の適当な応急措置又は防止措置に関すること。
四 発生した災害の原因の調査に関すること。
五 作業の安全に関する教育及び訓練に関すること。
六 安全管理に関する記録の作成及び管理に関すること。

〔問題3〕

船舶所有者は,「火災が発生した場合の消火作業の指揮に関すること。」のほか,どのような事項を,消火作業指揮者に行わせなければならないか。2つあげよ。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H29/07,R01/07,R06/04】

ヒント

(消火作業指揮者の業務)
第六条の三 船舶所有者は、次に掲げる事項を、消火作業指揮者に行わせなければならない。
一 消火設備及び消火器具の点検及び整備に関すること。
二 火災が発生した場合の消火作業の指揮に関すること。
三 発生した火災の原因の調査に関すること。
四 火災の予防に関する教育並びに消火作業に関する教育及び訓練に関すること。

〔問題4〕

衛生担当者は,その業務として船内の「居住環境衛生の保持に関すること。」のほか,どのような業務を行わなければならないか。3つあげよ。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H28/04,R01/10】

ヒント

以下から3つ解答。

(衛生担当者の業務)
第八条 船舶所有者は、次に掲げる事項(小型船にあつては、第四号に掲げる事項を除く。)を、衛生担当者に行わせなければならない。

一 居住環境衛生の保持に関すること。
二 食料及び用水の衛生の保持に関すること。
三 医薬品その他の衛生用品、医療書、衛生保護具等の点検及び整備に関すること。
四 負傷又は疾病が発生した場合における適当な救急措置に関すること。
五 発生した負傷又は疾病の原因の調査に関すること。
六 衛生管理に関する記録の作成及び管理に関すること。

〔問題5〕

船舶所有者は,「船内の危険な又は有害な作業についての作業方法」のほか,どのような事項について船員に安全衛生教育を施さなければならないか。3つあげよ。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H30/04,R04/07,R05/10】

〔問題6〕

船舶所有者は,「船内の安全及び衛生に関する基礎的事項」のほか,どのような事項について船員に安全衛生教育を施さなければならないか。3つあげよ。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H29/10,R02/02,R05/04,R07/02】

ヒント(問題5,6)

(安全衛生に関する教育及び訓練)
第十一条 船舶所有者は、次に掲げる事項について、船員に教育を施さなければならない。

一 船内の安全及び衛生に関する基礎的事項
二 船内の危険な又は有害な作業についての作業方法
三 保護具、命綱、安全ベルト及び作業用救命衣の使用方法
四 船内の安全及び衛生に関する規定を定めた場合は、当該規定の内容
五 乗り組む船舶の設備及び作業に関する具体的事項

2 液体化学薬品タンカー(施行規則第七十七条の三第一項に規定する液体化学薬品タンカーをいう。以下同じ。)又は液化ガスタンカー(施行規則第七十七条の三第一項に規定する液化ガスタンカーをいう。以下同じ。)の船舶所有者は、当該船舶の船員に、貨物の取扱方法、保護具の使用方法並びに貨物の漏えい、流出及び火災その他の非常の際における措置に関する訓練を実施しなければならない。

〔問題7〕

船員労働安全衛生規則第20条(器具等の整とん)の規定により,船舶所有者は,どのようなものをどのように整とんしておかなければならないか。 【出題:R05/02】

〔問題8〕

船員労働安全衛生規則第21条の規定によると,船舶所有者は,凍結室,冷凍室その他の密閉された区間であって船員が通常その中で作業するものには,どのような脱出装置等を設けなければならないか。 【出題:R03/10】

〔問題9〕

船舶所有者は,凍結室,冷凍室その他の密閉された区間であって船員が通常その中で作業するものには,どのような装置を設けなければならないか。 【出題:R06/10】

〔問題10〕

船員労働安全衛生規則第26条(床面等の安全)について,船舶所有者は,作業場所及び通路の床面における安全を確保するため,どのような措置を講じなければならないか。
【出題:H28/07,H30/02,R02/10,R03/04,R04/10】

ヒント

(床面等の安全)
第二十六条 船舶所有者は、作業場所及び通路の床面をつまづき、すべり、踏み抜き等のおそれのないよう必要な措置を講じなければならない。

2 船舶所有者は、作業場所、通路又は昇降設備における突出部分で作業又は通行の際に接触し、又は衝突して危害を生ずるおそれのあるものを被覆する等適当な措置を講じなければならない。

〔問題11〕

船員労働安全衛生規則第27条の2(海中転落の防止)について,船舶所有者は,海中に転落するおそれのある場合においては,どのような措置を講じなければならないか。【出題:R04/02,R06/07】

ヒント(問題11,14)

(高所作業)
第五十一条 船舶所有者は、床面から二メートル以上の高所であつて、墜落のおそれのある場所における作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。

一 作業に従事する者に保護帽及び命綱又は安全ベルトを使用させること。
二 ボースンチエアを使用するときは、機械の動力によらせないこと。
三 煙突、汽笛、レーダー、無線通信用アンテナその他の設備の付近で作業を行う場合に、当該設備の作動により作業に従事している者に危害を及ぼすおそれのあるときは、当該設備の関係者に、作業の時間、内容等を通報しておくこと。
四 作業場所の下方における通行を制限すること。
五 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があつた場合に速やかに救助に必要な措置をとることができる状態で二人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。

2 船舶所有者は、船体の動揺又は風速が著しく大である場合は、緊急の場合を除き、前項の作業を行なわせてはならない。

(げん外作業)
第五十二条 船舶所有者は、船体外板の塗装、さび落とし等げん外に身体の重心を移して行う作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。

・・・(略)・・・

2 前条第二項の規定は、前項の作業を行なう場合に、準用する。

(漁ろう作業)
第五十七条 船舶所有者は、漁ろう作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。

・・・(略)・・・

二 甲板上で作業を行わせる場合は、作業に従事する者に命綱又は作業用救命衣を使用させること。

・・・(略)・・・

2 第五十一条第二項の規定は、前項第二号の作業を行う場合に準用する。

(着氷除去作業)
第六十八条 船舶所有者は、船舶の着氷の除去作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。

・・・(略)・・・

2 第五十一条第二項の規定は、前項の作業を行なう場合に、準用する。

〔問題12〕

船舶所有者が,危険物の状態又は人体に有害な気体若しくは酸素の量を検知する作業を行わせる場合に講じなければならない措置について述べた次の文のうち,誤っているものはどれか。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H29/02,R03/07,R05/07】
(1) 検知器具の作動状態を点検すること
(2) 必ずその場所に立ち入って検知作業を行うこと。
(3) 当該作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。
(4) 作業に従事する者が身体の異常を訴えた場合,直ちに作業を中止させること。

〔問題13〕

船員労働安全衛生規則第49条(危険物等の検知作業)に関する次の問いに答えよ。
(1) 船倉,密閉された区画等危険物が存在し,若しくは存在した場合又は人体に有害な状態が存するおそれのある場合にやむを得ず立ち入る場合,作業に従事する者にどのような保護具を使用させなければならないか。
(2) 作業に従事する者が頭痛,めまい,吐気等の身体の異常を訴えた場合,どのような処置を講じなければならないか。
【出題:H29/04,H30/10,R02/07】

ヒント(問題12,13)

(危険物等の検知作業)
第四十九条 船舶所有者は、危険物の状態又は人体に有害な気体若しくは酸素の量を検知する作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。

一 検知器具の作動状態を点検すること。
二 検知のために必要な試料を採取する場合は、船倉、密閉された区画等危険物が存在し若しくは存在した場所又は人体に有害な状態が存するおそれのある場所に立ち入らないで、これを行なうこと。
三 やむを得ず前号に掲げる場所に立ち入る場合は、作業に従事する者に危険物又は人体に有害な状態の性質に応じた呼吸具、保護眼鏡、保護衣、保護手袋その他の必要な保護具を使用させること。
四 作業に従事する者が頭痛、めまい、吐気等の身体の異常を訴えた場合その他事故があつた場合は、ただちに作業を中止させ、安全性の確認が得られるまでは、作業を再開させないこと。
五 身体の異常を訴えた者には、すみやかに、医師による処置その他の適当な救急措置を講ずること。
六 当該作業により汚染し、又は汚染したおそれのある物を居住場所に持ち込ませないこと。
七 当該作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。

〔問題14〕

船舶所有者は,船体の動揺又は風速が著しく大である場合は,緊急の場合を除き,船員にどのような作業を行わせてはならないか。(船員労働安全衛生規則)
【出題:H30/07,R02/04】