はじめに

以下は,三級海技士(航海)の筆記試験における,運用に関する過去問題です。

※ 出題は,平成20年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。「平成/年」を数字で示しております。

問題

問題1

右図は,舶用四サイクルディーゼル機関の作動行程(4行程)を示す略図である。図の(1)~(4)は,それぞれどのような作動行程を示しているか。下の枠内の(ア)~(カ)の中から選び,番号と記号で答えよ。

〔解答例:(5)-(キ)〕
(ア)吸気 (イ)排気
(ウ)膨張 (エ)圧縮
(オ)蒸発 (カ)冷却

【出題:20/07,28/10,29/07】

問題2

次の文は,四サイクルディーゼル機関と二サイクルディーゼル機関の作動の違いについて述べたものである。[      ]内にあてはまる数字を記号とともに記せ。(記入例:(オ)‐1)

ディーゼル機関には,その作動の仕方により,ピストンの[ (ア) ]行程すなわちクランク軸の[ (イ) ]回転で1サイクルを行う四サイクルディーゼル機関とピストンの[ (ウ) ]行程,すなわちクランク軸の[ (エ) ]回転で1サイクルを行う二サイクルディーゼル機関がある。

【出題:21/04,21/10,22/07,24/07,27/07】

 

問題3

四サイクルディーゼル機関と二サイクルディーゼル機関との比較に関する次の文の中で,四サイクルディーゼル機関について述べているものはどれか。

(1) 一回転毎に燃焼行程があるので,同じ大きさの機関では出力が大きくなる。

(2) 回転数の高い中小型機関でも,シリンダ内の掃気作用が良好である。

(3) 回転力の変動が少なく,シリンダ数が同一の機関では,はずみ車を小さくできる。

(4) 弁及び弁機構が簡単であるから,取扱いが容易で,逆転もしやすくなる。

【出題:22/04,24/02,25/10】

問題4

主機関としてディーゼル機関を備えている固定ピッチプロペラ船を港内において操船する場合,機関の使用上,一般に注意しなければならない事項を述べよ。

【出題:23/10,27/02,29/02,29/10】

解答

解答1

(1)-(ア) (2)―(エ) (3)―(ウ) (4)―(イ)

【参考】

① 吸気行程:この行程は空気の取り込みを行う行程で,排気弁を閉じ,吸気弁を開いて空気をシリンダー内へ吸入する。

② 圧縮行程:この行程は吸気弁,排気弁は閉じて,ピストンが上方に向かいシリンダー内の空気が圧縮される。

③ 膨張行程:この行程では,ピストンが上端に達した時,燃料を噴射すると同時に着火し,燃焼してピストンを下方に押し出す。

④ 排気行程:この行程では,ピストンが下端に達する前に排気弁を開いて,排気を放出しながら上端に達する時に閉じる。

解答2

(ア)-4,(イ)-2,(ウ)-2,(エ)-1

解答3

(2)

解答4

・長時間の低速運転は機関に良くないので,もし極めて低い船速を要求するときは時々機関を停止して船速を調整する。

・危険回転数付近での運転は避ける。

・機関の発停を多く行うことにより起動用の圧縮空気が不足することがある。そのように機関の発停を多く行う事態が予想される場合には,前もって機関部に連絡しておく。

参考文献

航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 令和7年度版,成山堂書店,2024年

航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成27年度版,成山堂書店,2015年

航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成24年度版,成山堂書店,2012年

https://kaigijyuku.com/captain_course/n3_hikki