海上交通のルール(海上交通三法)

おはようございます。本日は、久々に塾らしいお話を。

船員になるための学校を卒業された方なら、ご存知とは思いますが、まずは基本知識としてお話ししたいと思います。

陸上には道路交通法があるように、海上にも、交通のルールを定めた法律があります。

しかも3つも。

「めんどくさ!!」と思われた方もいらっしゃるとは思いますが、事故を起こさないために必要な法律ですので、船の操縦を行う方は、十分にこれらの法律を理解しておく必要があります。

その法律ですが、一つは、一般海域で適用される海上衝突予防法。

もう一つは、海上交通がふくそうしている東京湾・伊勢湾・瀬戸内海の3海域において、合計11の特別な航路が定められ、その航路内での細かいルールを定めた海上交通安全法。

そして、最後は、港内における「交通の安全」「港内の整とん」のため定められた港則法です。

とりあえず、道路と異なるのは、海の上には中央線も車線もないということ(もちろん、航路というものがあったり、船が多く行きかうところでは、一方通行を定めた航路などもあります)。

このため、車と違って、中央線を境に真正面からすれ違ったり、交差点のように交差する道路の方向によって、すれ違う方向が決まってたりというのが無く、広い海域では、360°から他の船がぶつかってくる可能性があります。

そこで、まず、海上衝突予防法では、相手の船がどっちの方向から来た時は、どういった関係(見合い関係といいます)にあって、自船と他船のそれぞれの基本的な避航方法(避ける方法)が示されております。

たとえば、横切船の航法(海上衝突予防法)では、2隻の船がお互いを横切る関係にある時に、相手の船を右側に見た船の方が相手の船を避けるということになっています。

これは、船は基本的に右側通航であること、一般的な船の場合、右側に舵を取る方が操縦性能が良いことなどから定められたものと考えられます。

日本の場合は、車は左側通行で、一般的な信号のない同じ幅の十字路で他の車と出会った時、左側に他の車を見た方が道を譲らなければならないのと似てませんか?船は、右側通航だから逆と覚えておけば良いでしょう。

これは、1例に過ぎませんが、追い越される場合、追い越す場合、前から船が来る場合とそれぞれの場面に応じたルールが定められておりますので、興味がある方は、以下のリンクからご覧ください。

航海士を目指す方は、少なくとも海上衝突予防法の基本的条文全てを覚えておく必要があります。

参考(海上衝突予防法 第十五条)

(横切り船)
第十五条  二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。この場合において、他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはならない。
2  前条第一項ただし書の規定は、前項に規定する二隻の動力船が互いに進路を横切る場合について準用する。

参考サイト

「海の交通ルール」をご存知ですか?:海上保安庁

海上衝突予防法

海上交通安全法

港則法