三級海技士(航海) 運用 筆記試験問題 船体構造(3)
以下は,三級海技士(航海)の筆記試験における,運用に関する過去問題です。
※ 出題は,平成20年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。「平成/年」を数字で示しております。
問題1
鋼船における次の(1)~(3)の役割をそれぞれ述べよ。
(1) コファダム(cofferdam) 【出題:23/04,26/10,29/04】
(2) ビルジウェル(bilge well) 【出題:23/04,26/10,29/04】
(3) 特設フレーム(web frame) 【出題:23/04,26/10】
(4) 船尾隔壁(afterpeak bulkhead) 【出題:29/04】
問題2
鋼船の船体構造に関する次の問いに答えよ。
(1) 鋼船の貨物倉内に設置されているピラー(梁柱)について【出題:21/02,24/02,26/04,28/04,29/07(類),30/02】
(ア)倉内に設置されている目的を述べよ。
(イ)倉内のピラーの数を減らすため,通常はどのような方法がとられているか。
(2) 次の(ア)及び(イ)の役割をそれぞれ述べよ。
【出題:21/02】
(ア)コファダム(cofferdam)
(イ)ビルジウェル(bilge well)
(3) 次の(ア)及び(イ)の役割をそれぞれ述べよ。【出題:24/02】
(ア)船尾隔壁(afterpeak bulkhead)
(イ)ビルジウェル(bilge well)
解答1
(1) コファダム:タンカーの貨物油槽の前後や二重底の燃料油,潤滑油及び清水タンク相互間に設ける空所をいう。壁は油密構造として万一漏洩が生じても油が水に混入し,あるいは隣接区画に流入するのを防ぐ。また,この空所に人が入って漏洩の有無を検査することができる。
(2) ビルジウェル:貨物倉内のビルジ,機関室,二重底の内底板上面のビルジを排除するための溝をいう。
(3) 特設フレーム:倉内フレームのみでは強度が不足する箇所(機関室,重量物を積む船倉等)に設けられる大型フレームをいう。船体の横強度を増強するために設けられる。
(4) 船尾隔壁:船尾部が破損した場合に浸水を防ぎ,また,船尾管を支える役割をする。(船体横強度にも役立つ)
解答2
(1)(ア) ① 上部の荷重を支える。
② 船底部と甲板を結びつけて,船の横の形状を保ち,横強度材として働く。
③ 船体の剛性を増し,振動を防止する。
④ 甲板ビームのスパンを短くして,ビームの深さを減らし,その強さを増すと同時に船倉の有効高さを増す。
(イ)デッキガーダを縦通させてビームを支え,ガーダとピラーを接続する。
(2) (ア)タンカーの貨物油槽の前後や二重底の燃料油,潤滑油及び清水タンク相互間に設ける空所のこと。壁は油密構造として万一漏油が生じても油が水に混入しあるいは隣接区間に流入するのを防ぐ。またこの空所に人が入り漏洩の有無を検査することができる。
(イ)各貨物船倉内のビルジ,機関室,二重底の内底板上面のビルジをポンプで吸入排除しやすいようにためるもの。
(3) (ア)船尾部が破損した時に浸水を防ぎ,また,船尾会を支える役目をする。船体横強度にも役立っている。
(イ)貨物倉内のビルジ,機関室,二重底の内底板上面のビルジを,ポンプで吸入・排出しやすいように貯めておく。