第015話 ここるくんの初めての取材 その1

今日 ここるくん

広島県安芸郡の港に来ています

「なんのお船かなぁ」

内航貨物船で初の女性船長となった

有限会社 三原汽船(香川県)所属 寺田美夏さんに

お話を聞きに来たのです

寺田船長、こんにちは」「こんにちは、ここるくん」

まず、自己紹介をお願いしま-す

名前    寺田 美夏(てらだ みか)

好きな食べ物  機関長特製カレーライス,サラダ,納豆,豆腐

最終学歴  国立清水海上技術短期大学校

特技    水泳

趣味    愛車のハーレーでツーリング

うわぁ、ハーレーでつーりんぐだって!すごくかっこいいね!ねぇねぇ、今乗ってるお船って、なんのお船?

これはね、コンテナを積む船なの

コンテナっていうのはね、ここるくんも見たことがあると思うけど、

道路を走っている大きなトラックの後ろの部分に、四角い箱が載せてあるでしょ。あれのこと。

タイヤの付いている架台(荷物を乗せるところ)にコンテナ(箱)を乗せたら、

大型トラックの出来上がり♪だよ

「あの四角いの、コンテナっていうんだ!それがいっぱいこのお船に載せてあるんだね。
ねぇ、このお船って、どのくらいの大きさがあるの?」

うーん、分かりやすくいうと・・・

学校にある、25mプールを縦に3個並べたぐらいの大きさかなぁ

長さ77m,幅13mだから、ちょうどそのくらいの大きさ

うわぁ、大きいんだね!このお船には何人、人が乗ってるの?

私(船長),一等航海士,二等航海士,機関長,一等機関士(H21/9月現在)の5人だよ

そのうち、女子が3人なんだけど、

内航貨物船で女子の方が多い船は、日本中探しても本船だけだと思うよ

女の子ばっかりー。すごーい、すごーい。
ねぇねぇ船長さんは子供のころからお船の仕事がしたかったの?

ううん、なんとなーく”船乗り”になろうと思ったのは高3(18歳)のとき。

きっかけは、受験雑誌を見て、”船乗り”・・・って響きがカッコイイと思って。

この業種(海運業界)を知ったのは19歳(浪人生というか・・・フリーター)のときに

”清水海技短大”のオープンキャンパスに参加したときだし、

”内航船”に乗ろう、と思ったのは20歳(大学1年)の秋くらい。

それまでは、”船”って言っても客船やフェリーぐらいしか知らなかったよ

「ふうん、ぼくも今まで”タイタニック”や”じゃっくすぱろう”ぐらいしか知らなかったよ。
ねぇねぇ、お船の学校に行ったんだよね。楽しかった?」

高校まで、都内の中高一貫(理系)の女子高だったから、

船の学校は環境が全く違って楽しかったよ。ほんと、初体験の連続で、毎日新鮮な日々だった!

”火”が怖かったけど、溶接(2つ以上の材料を加熱したり圧力を加えたりしてくっつけること)の実習をしてからは、ライターやマッチが付けられるようになったしね(笑)

それに、寮(住んでるところ)の裏が海だったから、部屋からはいつも波の音が聞こえて素敵だったよ♪

「わぁっ、波の音が聞こえるおへやだって!ろまんちっくぅ~」

ここるくん、お船の学校・・・

というより、「波の音が聞こえるお部屋」に興味をもったのかな・・・

まだまだ、聞きたいことがいっぱいだよね≫

うんっ、船長さんとのおはなし、すごーく楽しいよ

作者:kotoba


この物語は、平成21年7月15日から、特定非営利活動法人 日本船舶管理者協会のホームページに掲載していた連載記事「ここるくんの船乗りへの道」を復刻させたものです。


オリジナル掲載日:平成21年10月15日

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