今日 ここるくんは
広島県安芸郡の港に来ています
「なんのお船かなぁ」
内航貨物船で初の女性船長となった
有限会社 三原汽船(香川県)所属 寺田美夏さんに
お話を聞きに来たのです
「寺田船長、こんにちは」「こんにちは、ここるくん」
「まず、自己紹介をお願いしま-す」
名前 寺田 美夏(てらだ みか)
好きな食べ物 機関長特製カレーライス,サラダ,納豆,豆腐
最終学歴 国立清水海上技術短期大学校
特技 水泳
趣味 愛車のハーレーでツーリング
「うわぁ、ハーレーでつーりんぐだって!すごくかっこいいね!ねぇねぇ、今乗ってるお船って、なんのお船?」
これはね、コンテナを積む船なの
コンテナっていうのはね、ここるくんも見たことがあると思うけど、
道路を走っている大きなトラックの後ろの部分に、四角い箱が載せてあるでしょ。あれのこと。
タイヤの付いている架台(荷物を乗せるところ)にコンテナ(箱)を乗せたら、
大型トラックの出来上がり♪だよ
「あの四角いの、コンテナっていうんだ!それがいっぱいこのお船に載せてあるんだね。
ねぇ、このお船って、どのくらいの大きさがあるの?」
うーん、分かりやすくいうと・・・
学校にある、25mプールを縦に3個並べたぐらいの大きさかなぁ
長さ77m,幅13mだから、ちょうどそのくらいの大きさ
「うわぁ、大きいんだね!このお船には何人、人が乗ってるの?」
私(船長),一等航海士,二等航海士,機関長,一等機関士(H21/9月現在)の5人だよ
そのうち、女子が3人なんだけど、
内航貨物船で女子の方が多い船は、日本中探しても本船だけだと思うよ
「女の子ばっかりー。すごーい、すごーい。
ねぇねぇ船長さんは子供のころからお船の仕事がしたかったの?」
ううん、なんとなーく”船乗り”になろうと思ったのは高3(18歳)のとき。
きっかけは、受験雑誌を見て、”船乗り”・・・って響きがカッコイイと思って。
この業種(海運業界)を知ったのは19歳(浪人生というか・・・フリーター)のときに
”清水海技短大”のオープンキャンパスに参加したときだし、
”内航船”に乗ろう、と思ったのは20歳(大学1年)の秋くらい。
それまでは、”船”って言っても客船やフェリーぐらいしか知らなかったよ
「ふうん、ぼくも今まで”タイタニック”や”じゃっくすぱろう”ぐらいしか知らなかったよ。
ねぇねぇ、お船の学校に行ったんだよね。楽しかった?」
高校まで、都内の中高一貫(理系)の女子高だったから、
船の学校は環境が全く違って楽しかったよ。ほんと、初体験の連続で、毎日新鮮な日々だった!
”火”が怖かったけど、溶接(2つ以上の材料を加熱したり圧力を加えたりしてくっつけること)の実習をしてからは、ライターやマッチが付けられるようになったしね(笑)
それに、寮(住んでるところ)の裏が海だったから、部屋からはいつも波の音が聞こえて素敵だったよ♪
「わぁっ、波の音が聞こえるおへやだって!ろまんちっくぅ~」
≪ここるくん、お船の学校・・・
というより、「波の音が聞こえるお部屋」に興味をもったのかな・・・
まだまだ、聞きたいことがいっぱいだよね≫
「うんっ、船長さんとのおはなし、すごーく楽しいよ」
作者:kotoba
この物語は、平成21年7月15日から、特定非営利活動法人 日本船舶管理者協会のホームページに掲載していた連載記事「ここるくんの船乗りへの道」を復刻させたものです。
オリジナル掲載日:平成21年10月15日