コンテナ船 ながら 機関室見学 その2

コンピューターだらけ

※ この記事は,2018年7月11日,実際に小学5年生が,ながらを見学した際の状況を基に,詳しい説明を加えてアレンジしたものです。

「さて,皆さんが居るここは,機関制御室と言って,エンジンやエンジンに関係する機器類をコントロールしたり,故障が起こる前の状態を判断したり,故障が起こったときに,どこが悪いのかを監視する装置がある場所です。皆さん,さっきは,暑い機関室を通ってきたけど,ここは,涼しいでしょう。ここには,大きなクーラーが付いているけど,人を涼しくしているのではなく,監視装置のコンピューターなどを冷やしているんですよ(笑)」(機関長)

「では皆さん,この中で特に重要な物を簡単に説明しますね。
まず,こちらの真ん中にあるモニター2つが,メインエンジンを制御するコンピューターで,MOPというものです。ながらのメインエンジンは,電子制御エンジンと言って,メインエンジンで燃料を燃焼させる際に,一番いいタイミングで燃焼が始まり,一番いいタイミングで燃焼が終わるようよう,コンピューターで制御しています。また,メインエンジンに取り付けられた電子部品の異常を感知し,警報を鳴らしてくれます。」(機関長)

「その隣のコンピューターは,メインエンジンの燃焼状態を監視するコンピューターです。
メインエンジンは,電子制御で燃焼をコントロールしていると言いましたが,実際にどのように燃焼が行われているかを監視しています。」(機関長)

「そしてもう一つ,一番右端にあるのが,メインエンジンの状態をデータ化して,メインエンジンを製造したメーカーに送信しているコンピューターです。
これによって,専門家によるメインエンジンの監視とデータ分析が行われ,異常があった場合には,ながらに連絡が来るようになっています。」(機関長)

「さらに重要なコンピューターが左端にあります。
このコンピューターは,メインエンジンだけでなく,船内の電気をつくる発電機や海水から水を造る造水装置,メインエンジンに燃料を送るポンプなど,ながらに設置された機械類の状態を監視し,異常があると知らせてくれる機関制御監視モニターシステムです。」(機関長)

「はい!!ここの赤いボタンを押すとどうなりますが?」(男の子1)

「そのボタンは,機関制御監視モニターシステムが警報を出したときに,警報の音を止めるボタンです。今は,警報が鳴っていないから,押しても何もなりません。押しても大丈夫ですよ(笑)」(機関長)

「はい!!このレバーは,何ですか?」(男の子2)

「そのレバーは,プロペラを前進方向に回したり,後進方向に回したり,プロペラの回転数を制御するためのものです。車にも同じようなレバーが付いているでしょう?車の場合は,こんなレバーとアクセルペダルがあるけど,この船の場合は,それが一緒になったものが,このレバーです。」(機関長)

つづく

コンテナ船 ながら 機関室見学  その1
この記事は,2018年7月11日,内航コンテナ船ながらが就航する直前に行われた小学校5年生の見学の時の内容をアレンジして,一般の方に分かりやすく説明を加えたものです。
コンテナ船 ながら 機関室見学  その3
この記事は,2018年7月11日,内航コンテナ船 ながら が就航する際,小学校5年生が船内を見学した時の状況を,一般の皆さんに分かりやすく説明を加えたものです。実際には,説明していない内容も含まれていますが,小学生の質問は,実際の質問を基に再現しております。

関連リンク

井本商運株式会社

670TEU型コンテナ専用船「ながら」命名(井本商運株式会社)

運航船舶(井本商運株式会社)