コンテナ船 ながら 機関室見学 その3

燃料はドロドロ

※ この記事は,2018年7月11日,実際に小学5年生が,ながらを見学した際の状況を基に,詳しい説明を加えてアレンジしたものです。

「はい。さきほど,トラックよりも燃料を使わなくて済むという話をしましたが,ながらが使っている燃料は,この容器に入っているものです。ちょっと振ってみてください。」(機関長)

~必死に燃料の入っている容器を振ってみる子供たち~

「どうですか?ひとつは,サラサラの燃料が入っていますが,もうひとつの方は,ドロドロの燃料が入っています。色も違いますね。サラサラの方が,A重油という燃料で,ドロドロの方が,C重油という燃料です。」(機関長)

「それで,ながらでは,いつもは,ドロドロのC重油を125℃ほどに温めて使用しています。」(機関長)

「はい!!なんで温めるのですか?」(男の子1)

「いい質問だね~。皆さんは,料理をお手伝いしたことはありますか?炒め物などをするとき,フライパンに油をひきますよね。その時,最初は,どろどろしていると思うのですが,温まってきたらサラサラになりますよね。燃料も油ですから,同じ性質を持っています。C重油を温めていくとサラサラになって,こっちのA重油と同じようになります。」(機関長)

「はい!なんでそこまでしてC重油を使うの?」(男の子2)

「それは,安いからです!(笑)。先月の値段では,A重油が1リットル約68円,C重油が1リットル約56円です。ながらは,多い時で1日2万リットル使用すると思いますが,たぶん。すみません,まだ運航していないので,それぐらいだと思います。2万リットルだと24万円も差が出ます。1年で,300日運航するとC重油を使用する方が,A重油を使用するよりも7,200万円安くて済むのです。」

「へ~」(子供たち)

「そろそろ時間なので,最後にあと1人だけ質問がある人。」(引率の先生)

「はい。なんで汽笛を鳴らすのですか。」(女の子1)

「そうですね~。機関室とは関係ない質問だけど,いい質問だね~。汽笛はね,他の船に危険を知らせたり,他の船に自分の船がこれからどのような動作を行うか,例えば,右を追い越しますとか,後進しますとか,ということを知らせるために鳴らすんだよ。君たちは,さっき,船橋で,汽笛を鳴らしていたけど,本当は,いけないことなんだよ。車の警笛も同じだけど,挨拶なんかのために鳴らしちゃいけないんだよ(笑)」(機関長)

「ふ~ん」(子供たち)

「はい。では,最後に機関長さんにお礼を言って帰りましょう。」(引率の先生)

「ありがとうございました。」(子供たち)

おわり

コンテナ船 ながら 機関室見学  その1
この記事は,2018年7月11日,内航コンテナ船ながらが就航する直前に行われた小学校5年生の見学の時の内容をアレンジして,一般の方に分かりやすく説明を加えたものです。
コンテナ船 ながら 機関室見学  その2
この記事は,2018年7月11日,内航コンテナ船 ながら が就航する際,小学校5年生が船内を見学した時の状況を,一般の皆さんに分かりやすく説明を加えたものです。実際には,説明していない内容も含まれていますが,小学生の質問は,実際の質問を再現しております。

関連リンク

井本商運株式会社

670TEU型コンテナ専用船「ながら」命名(井本商運株式会社)

運航船舶(井本商運株式会社)