三級海技士(航海) 運用 筆記試験問題 霧
以下は,三級海技士(航海)の筆記試験における,運用に関する過去問題です。
※ 出題は,平成20年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。「平成/年」を数字で示しております。
問題1
次の(1)及び(2)の霧は,それぞれどのような場合に発生するか。
(1) 蒸気霧 (2) 前線霧
【出題:21/07,24/10,28/04】
(3) 放射霧(ふく射霧) (4) 移流霧
【出題:22/04,24/04,27/02,29/07】
問題2
次の(1)~(3)のように発生する霧は,それぞれ何霧といわれているか。
【出題:21/02,26/02】
(1) 冷たい海面上に湿った暖かい空気が流れてきて,下方から冷却されて発生する。
(2) 暖かい海面上に冷たい空気が流れてきて,蒸発した水蒸気が冷たい空気中で冷やされ発生する。
(3) 温暖前線が接近するとき,その前方で降る雨が前線面の下方の寒気の中で蒸発し,その水蒸気が凝結して発生する。
解答1
(1)暖かい海面上に冷たい空気が流れ込むと,海面から急激に蒸発が起こる。蒸気霧は,その水蒸気が冷たい空気で冷やされて発生する霧である。
(2)前線から降る比較的暖かい雨滴が地表面に到達する間に,常に蒸発が起こるため,湿度が高い状態になる。前線霧は,この蒸発によって潜熱(気化熱)が奪われ温度が下がることによって生じる霧である。
(3)良く晴れた日の夜間では,放射による放熱量が大きいため,地表面に接する空気は次第に冷却され,露点温度に達すると霧が発生する。この時の霧を放射霧という。風力2程度の時に最も発達し,風速があまり大きいと発生しない。
(4)湿った暖かい空気塊(または気団)が冷たい地表面上に移動してくると空気塊の下層部が冷却されて霧を生じる。この時の霧を移流霧という。移流霧は風がかなり強くても発生するが,風速2~3m/secくらいで風が暖かい地面から続けて吹くと良く発生する。
解答2
(1) 移流霧
(2) 蒸気霧
(3) 前線霧
参考文献
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成24年度版,成山堂書店,2012年
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成27年度版,成山堂書店,2015年
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年