三級海技士(航海) 運用 筆記試験問題 風・気圧傾度力(1)
以下は,三級海技士(航海)の筆記試験における,運用に関する過去問題です。
※ 出題は,平成20年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。「平成/年」を数字で示しております。
問題
突風は一般にどのような場合に発生するか。成因別に3つあげて説明せよ。
【出題:21/10,23/07,25/02,26/10,29/04】
解答
以下より3つを選んで解答する。
・ 寒気の吹き出しによる突風(寒気突風)
冬季,季節風の吹き出し時に低気圧の後面に進入してくる寒気は,液状的に日本近海へやってくることと,下層から暖められることによって気層が不安定化して,突風となる。
・暖気の吹き込みによる突風
春先から春にかけて,日本海側を通る低気圧が急速に発達移動するときに,太平洋岸から本邦は低気圧の暖域に入り,南よりの強い風が吹く。それに伴って起こる突風である。
春一番,フェーン現象がこれに付随している。
・不安定線に伴う突風(暖気突風)
不安定線は寒冷前線の先行現象として現れ,最初,温帯低気圧の暖域である寒冷前線付近に形成される。寒冷前線から離れるように東方へ移動しながら突風雷雨をもたらす。幅は,100kmぐらいで線上の狭いもので,寿命は短い。発達した低気圧に熱帯気団が進入しているとき,東シナ海周辺で見られる現象で,スコールラインとも呼ばれる。
・寒冷前線に伴う突風
寒冷前線に伴い,前線前後の風向・風速の不連続や前線通過中の寒気の侵入によって発生する。
参考文献
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成24年度版,成山堂書店,2012年
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成27年度版,成山堂書店,2015年
航海技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(航海)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年