はじめに

以下は,三級海技士(航海)の筆記試験 「航海」の天文航法に関する過去問題です。

※ 出題は,平成28年2月から令和7年2月定期試験まで(10年分)の問題を調べたものです。(類)は,類似の問題を示します。解答は一緒です。平成=H,令和=Rに年/月を数字で示しております。

天測計算

〔問題形式1(平成27年天測歴使用)〕

平成27年2月8日0900ごろ,21°-40′N,62°-30′Eの推測地点で,船用基準時計が04h-49m-40sを示すとき,太陽の下辺高度を29°-40.1′に測定した。それから視正午まで真針路100°で40海里航走し,太陽の下辺子午線高度を53°-15.3′に測定した。視正午の船位を求めよ。ただし,船用基準時計の誤差(-)3s,六分儀の器差(-)1.0′,眼高15mである。     【出題:H28/02】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、以下の定期試験出題されております。

【出題:H28/02~R03/02まで毎回出題】

〔問題形式2(某年〇月×日)〕

某年4月18日0930頃,27°-33’N.140°-43’Eの推測地点で,船用基準時計が00h-42m-01sを示すとき.太陽の下辺高度を58°-03.7’に測定した。それから視正午まで真針路125°で36海里航走し,太陽の下辺子午線高度を73°-18.4’に測定した。視正午の船位を求めよ。ただし,それぞれの観測時のグリニッジ時角(hG),均時差,赤緯(d)は下表のとおりで,船用基準時計の誤差(-)1s.六分儀の器差(-)1.0′ ,眼高14mである。    
【出題:R03/04】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、以下の定期試験出題されております。

【出題:R03/04~R07/02まで毎回出題】

文章問題

〔問題1〕

次の(1)及び(2)のときに天体の高度観測をすれば,位置の線の利用上どのような利点があるか。
(1) 天体が針路方向にみえるとき。
(2) 天体が針路に対し,正横方向に見えるとき。
【出題:H28/04,H30/02,R02/07,R03/04】

コメント

(1)と(2)は,位置の線が直角方向ですね。それぞれ自船の針路方向と位置の線の方向を考え,どのような利点があるか答えましょう。

〔問題2〕

測者の緯度と天体の赤緯がともにNの同名で,緯度が赤緯より大きい場合,天体の方位角はどのように変化するか。地平面図を描いて説明せよ。    
【出題:H29/07,R01/10,R03/07】

コメント

天の赤道に対して,天体の移動がどちらに来るか(北寄りか南寄りか)?を考えましょう。

〔問題3〕

天体の測高度改正に関する次の(1)及び(2)の用語を説明せよ。また,それぞれの改正値は測高度に対して加えるものか,減ずるものかを述べよ。
 (1)眼高差(Dip.)          (2)天文気差(Ref.)
【出題:R05/07】

〔問題4〕

大洋上において,天体によるコンパス誤差の測定には,(A)北極星方位角法,(B)出没方位角法及び(C)時しん方位角法が主として用いられる。これら3つのうち,下の(1)~(3)に最も適合するものはどれか。それぞれ記号で答えよ。
(1) 水平線が見えなければ行うことができない。
(2) 地域的に実行が制約される。
(3) 船用基準時計示時を秒まで正確に読む必要がある。
【出題:H30/04,R02/04,R03/04,R04/07】

ヒント

(A)の北極星方位角法は,北極星が見えていないと使用できませんね。
(B)の出没方位角法は,太陽の出没時に行うことから・・・
(C)の時しん方位角法は,何時でも何処でも実施できますが・・・

〔問題5〕

太陽の隔時観測により正確な船位を得るためには,どのようなことに注意しなければならないか。
【出題:H29/02,H30/10,R02/10,R06/07】

〔問題6〕

太陽を利用して六分儀の器差を測定したとき,その器差が正しいかどうかは,どのようにして判断するか。                         
【出題:H28/07,H31/02,R05/02】

〔問題7〕

太陽の子午線高度が90°に極めて近い高度になるような場合,子午線正中時前後の太陽の方位変化について述べよ。
【出題:H28/02,H29/10,R04/02,R07/02】

〔問題8〕

太陽の子午線高度が90°に極めて近い高度になるのは,測者の緯度と太陽の赤緯がどのような関係にあるときか。                
【出題:H28/10,H30/07,R03/10,R05/04】

日出没

〔問題〕

平成19年7月15日,25°-00′N,163°-00′Wの地点における常用日出没時を165°Wを基準とする基準時で求めよ。                         
【出題:H20/07】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、以下の定期試験出題されております。

〔出題:H29/04〕平成27年4月15日,14°-00′N,28°-00′W,30°W
〔出題:R01/07〕平成27年7月7日,14°-00′N,164°-00′E,165°E

コメント

「北緯日出時と薄明時間」表から日出没時刻を求め,自船の経度から世界標準時における日出没時刻を求めます。後は,指定された経度の日出没時刻を求めます。
落ち着いて,間違いの無いように計算しましょう。

〔問題10〕

30°-00’Nの緯度線上の任意の地点において,真日出時,太陽の真方位は何度になるか。算式を用いて小数点第1位まで求めよ。ただし,そのときの太陽の赤緯は15°-20’Sである。  
【出題:R03/02】

〔問題11〕

35°-00’Sの緯度線上の任意の地点において,真日出時,太陽の真方位は何度になるか。算式を用いて小数点第1位まで求めよ。ただし,そのときの太陽の赤緯は22°-27’Sである。  
【出題:R06/02】

ジャイロ誤差

〔問題1〕

31°-15’Nの緯度線上のある地点において,真日没時の太陽のジャイロコンパス方位を261.5°に測定した。太陽の赤緯(d)8°-18.8’Sとして,算式を用いてジャイロ誤差を求めよ。     
【出題:R04/10】

〔問題2〕

42°-20’Nの緯度線上のある地点において,真日没時の太陽のジャイロコンパス方位を301.2°に測定した。太陽の赤緯(d)23°-25.6’Nとして,算式を用いてジャイロ誤差を求めよ。     
【出題:R06/10】

時計

〔問題1〕

平成27年4月14日,京浜港を出港したB丸(日本標準時使用)は,同日午後銚子沖を離れ,シアトル港に向け大洋航海に入った。翌朝に,当日の推定正午位置の経度に対する視時に船内時計を改正するためには何分進ませればよいか,又は何分遅らせればよいか。ただし,4月15日の推定正午位置は,37°-45N,145-10’Eである。        
【出題:H31/04】

上記のような問題形式で、以下のように数字が異なる形で、以下の定期試験出題されております。

〔R02/02〕平成27年2月10日,2月11日の推定正午位置は36°-32N,143°-36’E

〔問題2〕

平成27年4月10日,京浜港を出港したB丸(日本標準時使用)は,同日1500に34°-50’N,140-00’Eに達し,真針路090°に定針して速力20ノットで大洋航海に入った。このまま航行を続ける場合,翌日の推定正午位置の経度に対する視時に船内時計を改正するためには何分進ませればよいか,または何分遅らせればよいか。ただし,視時12時における均時差は(-)1m-13sである。        
【出題:R04/04】

〔問題3〕

某年10月10日,京浜港を出港したB丸(日本標準時使用)は,同日1100に35°-00’N,140-10’Eに達し,真針路090°に定針して速力21ノットで大洋航海に入った。このまま航行を続ける場合,翌日の推定正午位置の経度に対する視時に船内時計を改正するためには何分進ませればよいか,または何分遅らせればよいか。ただし,視時12時における均時差は(+)13m-05sである。
【出題:R05/10】