バルバス・バウは、球状船首とも呼ばれ、船が航走する際に大きな抵抗となる造波抵抗(波を作ることによって失うエネルギー)を減少させる目的で取り付けてあります。
バルバス・バウは、船首の水面下にあり、船首より突き出るような場所で、予め波を発生させ、船首で作られる波を相殺することによって造波抵抗を減少させます。
バルバス・バウは、通常、水面下にあるため、綱取りボートなどが衝突しないよう、その存在を示すマークが示してあります。
上掲の写真では、水面より上にバルバス・バウが存在するため、全く意味がありません。
このように喫水の変化の大きい船では、喫水の状態によってバルバス・バウが造波抵抗削減の効果をなさない場合があります。
ところで、球状船首で検索すると、出てくるのがこちらの船↓
内航コンテナ船の”なとり”(船主:井本商運株式会社)
しかし、これって、SSS(Semi Spherical Shape)バウといって、日本語に訳すと半球状船首らしいです。こちらは、空気抵抗(風)を減らすことが目的で、このような形状になっています。
何れにしても、同じように球状の形をしているので、ただ単に〇〇船首とするとわかりにくいですね(笑)。
海技試験では、間違えないようにしましょう!!
参考
旭洋造船株式会社ホームページ「省エネ型自動車運搬船船型を開発しました!」
旭洋造船株式会社ホームページ「S522番船”なとり”命名引渡式」