三級海技士(機関)機関一 筆記問題 ディーゼル機関(55)クランクデフレクション
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
ディーゼル機関のクランクアーム開閉量に関する次の問いに答えよ。22/10
(1) 開閉量を計測する場合,計測値のほかどのような事項を記録するか。
(2) 開閉量が大きくなると,クランク軸に生じる曲げとねじりの応力のうち,どちらの応力が大きくなるか。また,その応力によってき裂が発生する場合,そのき裂は,クランク軸にどのような位置に発生し,どの方向に進行するか。(略図を描いて説明せよ。)
(3) 開閉量の許容限度は,一般に,どのように決められているか。また,高速機関の開閉量の許容限度は,低速機関の許容限度より小さくとるのは,なぜか。
解答
(1) 計測日付,場所(港名),計測者氏名,気温(機関室温度),貨物の積付け状況(喫水),その他特に気がついた事項。
(2) [図に示す]
開閉量が大きくなると,クランク腕は回転ごとに繰り返される正負の曲げ応力が増す。その応力によるき裂は,クランク腕とクランクピンの付け根のところに発生し,軸心に垂直方向,又はクランク腕の長さ方向に垂直な方向に進行する。
(3) 開閉量の許容限度は,ストロークの1/10000ならば安全であるが,2/10000になると修正する。高速の機関ほどクランクデフレクションによる材料疲労が進みやすいので,基準を小さくとる。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年