三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ軸系(13)

三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ軸系(13)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

プロペラに関する次の問いに答えよ。 【出題:29/04】

(1) プロペラ後進面が浸食される原因は何か。

(2) 羽根などの割れを浸透探傷法で点検する場合,どのような要領で行うか。

(3) 羽根面の腐食が軽度の場合は,どのような手入れを行うか。

解答

(1) 前進回転のとき,羽根の後進面で発生した気泡が水流によって後縁側に流れ,そこで大きな水圧に潰され,気泡が消滅する際に羽根面が侵食する。すなわち,キャビテーションは後進面側に発生するのが大半であり,侵食はこの背面キャビテーションに起因する。

(2) ① 点検する部分の油や錆などの汚れを洗浄液で入念に除去する。

② 点検する部分に浸透液を塗布するか,スプレーで吹き付け,浸透液が十分傷に浸透するまで,一定時間放置する。

③ 布や綿に洗浄液をつけて,点検する箇所の浸透液を拭き取る。

④ 洗浄された点検個所に現像液を塗布又はスプレーで吹き付ける。

⑤ 傷があれば,その個所から赤色の浸透液がにじみ出てくるので発見できる。

⑥ 検査終了後は錆の発生を防止するため,洗浄液でよく拭き取る。

(3) 羽根面の腐食が軽度の場合は,グラインダにて表面を滑らかに仕上げて腐食塗装を塗る。少し深い損傷は同一金属を用いて溶接補修を施行したあと,グラインダ仕上げをおこない,作業後は十分な焼きなましを行う。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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