三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ軸系(10)
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
プロペラ羽根の腐食及び浸食に関する次の問いに答えよ。【出題:24/02,27/04】
(1) 羽根の腐食は,どのようにして生じるか。(2つあげよ。)
(2) 羽根の浸食は,どのようにして生じるか。
(3) 上記(1)の腐食を防止するため,どのような方法がとられているか。
解答
(1) ① 科学的腐食:酸やアルカリを含んだ海水中に長く浸かっていると,プロペラは腐食する。プロペラの材料は普通海水中ではさほど腐食されないが,港湾や河川のみを航行する船舶では,しばしば発生する現象である。
② 電気化学的腐食:異種金属間に起こる電池作用による腐食で,プロペラに含まれる電位の低い金属が電位の高い金属におかされる。一例として,プロペラに銅と亜鉛が含まれている場合,電位の低い亜鉛が脱亜鉛現象を起こす。
(2) キャビテーション現象により,発生した気泡が水圧を受けてつぶされる際の衝撃圧力により羽根表面を侵食する。
(3) ① プロペラ付近の船体に保護亜鉛を取り付ける。
② 船内の軸系にアース装置を設置し,軸系と船体の電位差を減らす。
③ 腐食に強い材料をプロペラに採用する。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年