おはようございます。先週から今週にかけての検索ワードにあったので、「オートスピニング装置」について、少しお話しましょう。
そもそも、何に関係する装置なのか?
もう、航海訓練所の練習船にいなくなったタービン船の主機に関する装置です。
まあ、何となく、言葉の雰囲気からして、自動で何かをする装置なのだろうな~とはわかると思います。
そうですね「スピニング」がカギとなります。
タービン船は、主機に蒸気タービンを使用しています。これは、高温・高圧の蒸気をタービンに送り、熱のエネルギーを速度のエネルギーに変えた後、その蒸気をタービンの羽根に当てて、軸を回すというものです。この軸の回転をギアを介して減速し、プロペラが繋がっている軸に伝えるのです。
どのような船でもそうですが、出入港の際は、主機の前後進・発停を幾度か繰り返すこととなります。
この際、タービン船の場合、タービン羽根の付いている軸は、高温状態のままとなります。
高温状態のまま停止状態を続けると、軸が曲がってしまうのです。
これを防ぐための装置が、オートスピニング装置です。
プロペラ軸の停止がある一定時間を過ぎると、蒸気を吹き込み、船が動かない程度の前後進を繰り返すという装置です。
これを手動で行うと大変(というか忘れてしまったりして)なので、自動で行いましょうということです。
確か、私が練習船に乗っていた頃は、練習のため、実習生が行っていたような気がします。
昔は、一般のタービン船でも手動で行っていたなんて、その時代の機関士は大変だったでしょうね。