海上衝突予防法 第6条(安全な速力)

おはようございます。

かなり時間が空きましたが、海上衝突海上衝突予防法シリーズ第6回目です。

前回までで、第5条まで簡単に説明しました。

次は、第6条、「安全な速力」です。


(安全な速力)
第六条 船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように、常時安全な速力で航行しなければならない。この場合において、その速力の決定に当たつては、特に次に掲げる事項(レーダーを使用していない船舶にあつては、第一号から第六号までに掲げる事項)を考慮しなければならない。
一 視界の状態
二 船舶交通のふくそうの状況
三 自船の停止距離、旋回性能その他の操縦性能
四 夜間における陸岸の灯火、自船の灯火の反射等による灯光の存在
五 風、海面及び海潮流の状態並びに航路障害物に接近した状態
六 自船の喫水と水深との関係
七 自船のレーダーの特性、性能及び探知能力の限界
八 使用しているレーダーレンジによる制約
九 海象、気象その他の干渉原因がレーダーによる探知に与える影響
十 適切なレーダーレンジでレーダーを使用する場合においても小型船舶及び氷塊その他の漂流物を探知することができないときがあること。
十一 レーダーにより探知した船舶の数、位置及び動向
十二 自船と付近にある船舶その他の物件との距離をレーダーで測定することにより視界の状態を正確に把は握することができる場合があること。


この条文は、何となく読んでて理解できると思います。

船舶の衝突防止のためには、他船との間に衝突のおそれが生じたときに、回避動作を取る時間が必要ですし、回避動作の効果が得られなければ意味がありません。

そもそも、衝突の判断を行うための時間的な余裕も必要になってきます。

そのために、一~十二号までの状況を踏まえて、自船の速力を制限する必要があるのです。

つまり、一~十二号は、自船の操縦性能及び操縦性能に与える事項と衝突のおそれを判断する際に与える事項とに分かれていると言えます。

各号を一つ一つ思い浮かべ、覚えておきましょう。

なお、船ごとに設備・構造や運動性能等が異なるので、実際の操船には、一~十二号の他にも考慮すべき事項があるかも知れません。

実際に操船する際は、どのようなことが「自船の操縦性能」と「衝突のおそれの判断」に影響するかを考えつつ、速力を決定してください。

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