海上衝突予防法 第9条(狭い水道等)

おはようございます。

本日は、先週に引き続き、海上衝突海上衝突予防法シリーズ第9回目です。

今回は、第9条、「狭い水道等」です。


(狭い水道等)
第九条 狭い水道又は航路筋(以下「狭い水道等」という。)をこれに沿つて航行する船舶は、安全であり、かつ、実行に適する限り、狭い水道等の右側端に寄つて航行しなければならない。ただし、次条第二項の規定の適用がある場合は、この限りでない。
2 航行中の動力船(漁ろうに従事している船舶を除く。次条第六項及び第十八条第一項において同じ。)は、狭い水道等において帆船の進路を避けなければならない。ただし、この規定は、帆船が狭い水道等の内側でなければ安全に航行することができない動力船の通航を妨げることができることとするものではない。
3 航行中の船舶(漁ろうに従事している船舶を除く。次条第七項において同じ。)は、狭い水道等において漁ろうに従事している船舶の進路を避けなければならない。ただし、この規定は、漁ろうに従事している船舶が狭い水道等の内側を航行している他の船舶の通航を妨げることができることとするものではない。
4 第十三条第二項又は第三項の規定による追越し船は、狭い水道等において、追い越される船舶が自船を安全に通過させるための動作をとらなければこれを追い越すことができない場合は、汽笛信号を行うことにより追越しの意図を示さなければならない。この場合において、当該追い越される船舶は、その意図に同意したときは、汽笛信号を行うことによりそれを示し、かつ、当該追越し船を安全に通過させるための動作をとらなければならない。
5 船舶は、狭い水道等の内側でなければ安全に航行することができない他の船舶の通航を妨げることとなる場合は、当該狭い水道等を横切つてはならない。
6 長さ二十メートル未満の動力船は、狭い水道等の内側でなければ安全に航行することができない他の動力船の通航を妨げてはならない。
7 第二項から前項までの規定は、第四条の規定にかかわらず、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する。
8 船舶は、障害物があるため他の船舶を見ることができない狭い水道等のわん曲部その他の水域に接近する場合は、十分に注意して航行しなければならない。
9 船舶は、狭い水道においては、やむを得ない場合を除き、びよう泊をしてはならない。


第1項から3項までは、狭い水道等における基本的な航法が記載されています。

第4項は、追い越しの方法について記載されており、基本的には、追い越しを禁止されているわけではありません。追い越す場合は、ルールに従い、追い越す船舶が追い越される船舶と十分に意思疎通を行ってから追い越すよう規定されています。

第5項は、狭い水道等の内側、つまり、比較的水深の深い水域しか航行できない船を横切ることを禁止しております。

第6項は、第5項に加え、長さ20メートル未満の動力舶は、狭い水道等の内側でなければ安全に航行することができない他の動力船の通航を妨げないよう規定しております。

第7項は、第2項から6項までの規定の及ぶ範囲を示しており、互いに視野の内にある場合にこれらの規定が及ぶことを示しております。

第8項は、第7項の適用範囲外の時、つまり互いに視野の内にない場合について規定しております。当たり前のことが書いているのですが、第2項から第6項までが適用されないという点も理解しておく必要があります。

第9項は、錨泊の禁止を規定しております。もちろん、主機関が止まったとか、海難を避けるためにやむを得ず錨泊する場合は、除外されます。

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