ここるくんの取材はまだまだ続きます
運転中の様子(再現)
「船長さん、かっこいいー!ねぇねぇ、お仕事始めたころはどんなだった?」
毎日が一生懸命で、いっぱいいっぱいだったと思う。
言われなきゃ何も出来なかったけど、まわりの人たちは温かく見守ってくれてたよ。
「職場の環境がとってもよさそう!でも、”船長さん”ってお船で一番えらいひとだよね。船長さんはまだ若いけど、なれると思ってた?なりたかった?」
2年くらい前にRORO船の一等航海士をやらせてもらって、初めて「船長になれる」と思った。
それまでは、自分にはそんな器がないので、なりたいと思ってなかったけど・・・
「だんだんと自信がついてきたんだね。ねぇ、ローロー(RORO)船ってなぁに?」
RORO(Roll-on/roll-off ship)船っていうのは、自動車や大型トラックなどを運ぶ船のこと。
船に”ランプウェイ”っていう、岸壁と船を結んで大型トラックなんかが渡れる道が折りたたんだ形で付いていて、
それを下ろして荷物を積んだりするんだよ。
ここるくんたちが毎日飲んでる牛乳も、北海道から定期航路のRORO船で運ばれているんだよ。
「へー、牛乳ってそういう運ばれ方してるんだ!あ、”定期航路”っていうのはなぁに?」
”定期航路”っていうのはね、バスや電車のように、同じ時間に同じ場所に行って、
人や荷物を運ぶ船のことだよ。船は広い海の上を自由に走っているように見えるけど、
定期航路の船は、同じ時間に同じ場所に行っているの。
「ふうん、規則正しい船なんだね。
お仕事の時間は、ふつうの人(一般的に8時間労働。週休2日)と同じ?」
ちょっと違うかな。
基本的には3ヵ月船の上で生活し、昼夜関係なく働いて、そのあと1ヵ月まとめて休むんだよ。
船には乗りっぱなしだけど、基本的には1日8時間労働かな。
船乗りさんは、大人になっても夏休みが年、3回!あるんだよ~
「まとめて働いて、まとめてお休みがとれるってこと?それもいいなぁ・・・。
船で生活するって、ごはんは誰が作ってくれるの?」
ごはんはね、自分たちで作るよ。船長さんになると、作らなくていいんだけどね♪
だからみーんなお料理上手。女の子は花嫁修業に!料理のできる男の子はモテるよ~♪
「ぼく、作れるかなぁ・・・。でも、船長さんの好きな”機関長特製カレーライス”は食べてみたいなぁ・・・」
≪食いしん坊のここるくんは、機関長のつくるカレーライスが気になるみたい
船長さんのお仕事のこと、ちゃんと聞けるかな?≫
「うーん・・・カレーが気になるよぅ。でも、船長さんのお仕事も気になるぅー」
作者:kotoba
この物語は、平成21年7月15日から、特定非営利活動法人 日本船舶管理者協会のホームページに掲載していた連載記事「ここるくんの船乗りへの道」を復刻させたものです。
オリジナル掲載日:平成21年10月19日