ここるくんが、寺田船長からいろいろ説明を受けています
「今はね、ここにいるの」「へー」
「あれがコンテナ」「へー」
「あれがエンジンだよ」「すごーい」
「ねぇねぇ、船長さんになった気分は?」
責任という重圧と戦う日々です♪(笑)
逆に、責任がズドーンと重いからこそ、やりがいがあって楽しい!
少数精鋭(少ない人数だけどみんなエキスパート!!)だから、
通常新人と言われるころから責任のある仕事をまかせてもらえるけど、
みんなのやったことも、最終的には船長の責任になるんだよ。
「船長さんはすごいなぁ・・・ぼくだったら・・・うーーん、どうだろう。想像もつかないや。ねぇ、船長さんってどんなお仕事をするの?」
この船には5人しか乗っていないから、船長といえども、”何でも屋さん”かな
船長の職務・・・入出港時の船橋での操船、航海計画立案、陸側との連絡、部下の育成、
乗組員の健康状態の管理などなど
何でも屋さん・・・ペンキ塗り、掃除、補油、補水、買い出し、船内の和んだ雰囲気作りなどなど、
みんなの手伝いも率先してやるよ
「うわぁー、難しそうなお仕事がたくさんー。やっぱりすごいや、船長さんって。
お仕事してて、「職業病(この仕事ならではのくせ)」ってなんかある?」
比較的、男性目線でものを見てしまうことかな。”それ、男目線”ってツッコミを入れられるよ・・・
あと、いろんな出身地の人と一緒に船に乗るから、方言が入り混じって、
休暇中に東京の友達に会うと、”言葉がヘン”って言われる・・・
「方言ってうつっちゃうよね。そうだ、英語とかもしゃべれなきゃだめぇ?」
しゃべれた方がいいかなー。
VHF(無線)で他の船の人たちと英語でしゃべったりもするよ。
あんまりうまくしゃべれないけど、片言の英語でも、伝える気持ちがあれば、伝わる気がする!
そのくらいのレベルで、どうにか対応することはできるよ。
「うーん、そっかぁ。英語の勉強も必要なんだね。
そうだ!お船に乗っていて(仕事をしていて)、今までで一番嬉しかったことってなぁに?」
船乗りさんはね、”船員手帳”っていうものを持ち歩いているんだけど、船長さんになって、
自分の手帳に初めて”船長”の印鑑が押された時!!言葉にならないくらい嬉しかったなぁ♪
「それって、絶対うれしいよね!僕も”手帳”ほしーい。ぼくが船長さんみたいになりたかったら、どんなことをすればいいかなぁ」
いっぱーい遊んで、いっぱーい食べて、丈夫な体を作ろうね!
何にでも好奇心をもつ心を忘れずに、ちょっと勉強すればなれるはず!
「そっかぁ、ぼく、好奇心ならたくさーん、あるよ!ねぇねぇ、最後に、このお仕事、すき?」
はい、大好きです!
自他共に認めるほどの天職に出会えました!
「いいなぁ!ぼくも胸をはって大声でそういえるお仕事したーい!」
「寺田船長、ありがとう」
作者:kotoba
この物語は、平成21年7月15日から、特定非営利活動法人 日本船舶管理者協会のホームページに掲載していた連載記事「ここるくんの船乗りへの道」を復刻させたものです。
オリジナル掲載日:平成21年10月21日