三級海技士(航海) 法規 筆記試験問題 海上交通安全法 応用問題

三級海技士(航海) 法規 筆記試験問題 海上交通安全法 応用問題

以下は,三級海技士(航海)の筆記試験における,法規(海上交通安全法及び同法施行規則)に関する過去問題です。

※ 出題は,平成20年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。「平成/年」を数字で示しております。

問題

長さ203メートルの貨物船が,瀬戸内海にある航路を経由して関門港から阪神港神戸区へ航行する場合について,次の問いに答えよ。 (海上交通安全法及び同法施行規則)

(1) 航路を航行しようとするときは,あらかじめどのようなことを,だれに通報しなければならないか。 【出題:20/07,25/04(210メートル)】

(1)′航路を航行しようとするときは,あらかじめどのようなことを,通報しなければならないか。2つあげよ。また,その場合,誰に通報しなければならないか。 【出題:26/02】

(2) 航路をこれに沿って航行するときに通る航路の名称を順番に記せ。【出題:20/07,25/04,26/02】

(3) 対水速力12ノット以下で航行しなければならない区間のある航路はどれか。【出題:20/07,25/04,26/02】

(4) 潮流の流向によって航法が異なる航路はどこか。また,逆潮の場合,この航路のどこを,どのように航行しなければならないか。 【出題:20/07,25/04】

(4)′潮流の流向(順潮・逆潮)によって航法が異なる航路はどれか。また,逆潮の場合,この航路のどこを経由して,どのように航行しなければならないか。【出題:26/02】

ヒント

(1)海上交通安全法 第22条

(巨大船等の航行に関する通報)
第二十二条 次に掲げる船舶が航路を航行しようとするときは、船長は、あらかじめ、当該船舶の名称、総トン数及び長さ、当該航路の航行予定時刻、当該船舶との連絡手段その他の国土交通省令で定める事項を海上保安庁長官に通報しなければならない。通報した事項を変更するときも、同様とする。

一 巨大船
二 巨大船以外の船舶であつて、その長さが航路ごとに国土交通省令で定める長さ以上のもの
三 危険物積載船(原油、液化石油ガスその他の国土交通省令で定める危険物を積載している船舶で総トン数が国土交通省令で定める総トン数以上のものをいう。以下同じ。)
四 船舶、いかだその他の物件を引き、又は押して航行する船舶(当該引き船の船首から当該物件の後端まで又は当該押し船の船尾から当該物件の先端までの距離が航路ごとに国土交通省令で定める距離以上となる場合に限る。)

海上交通安全法施行規則 第13条・第14条

(巨大船等の航行に関する通報事項)
第十三条 法第二十二条の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

一 船舶の名称、総トン数及び長さ
二 航行しようとする航路の区間、航路外から航路に入ろうとする時刻(以下「航路入航予定時刻」という。)及び航路から航路外に出ようとする時刻
三 船舶局(電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第六条第三項に規定する船舶局をいう。以下同じ。)のある船舶にあつては、その呼出符号又は呼出名称
四 船舶局のない船舶にあつては、海上保安庁との連絡手段
五 仕向港の定まつている船舶にあつては、仕向港
六 巨大船にあつては、その喫水
七 危険物積載船にあつては、積載している危険物(第十一条第一項各号に掲げる危険物をいう。以下同じ。)の種類及び種類ごとの数量
八 物件えい航船等(法第二十二条第四号に掲げる船舶をいう。以下同じ。)にあつては、引き船の船首から当該引き船の引く物件の後端まで又は押し船の船尾から当該押し船の押す物件の先端までの距離及び当該物件の概要

(巨大船等の航行に関する通報の方法)
第十四条 次の各号に掲げる船舶の船長は、航路外から航路に入ろうとする日(以下「航路入航予定日」という。)の前日正午までに、前条第一号から第五号までに掲げる事項及び巨大船である船舶にあつては同条第六号、危険物積載船である船舶にあつては同条第七号、物件えい航船等である船舶にあつては同条第八号に掲げる事項を通報しなければならず、航路入航予定時刻の三時間前までの間においてその通報した事項に関し変更があつたときは、当該航路入航予定時刻の三時間前にその旨を通報し、以後その通報した事項に関し変更があつたときは、直ちに、その旨を通報しなければならない。

一 巨大船
二 法第二十二条第二号に掲げる船舶(水島航路を航行しようとする長さ七十メートル以上百六十メートル未満の船舶を除く。)
三 積載している危険物が液化ガスである総トン数二万五千トン以上の危険物積載船
四 物件えい航船等

2 次の各号に掲げる船舶の船長は、航路入航予定時刻の三時間前までに前条第一号から第五号までに掲げる事項及び危険物積載船である船舶にあつては同条第七号に掲げる事項を通報しなければならず、その通報した事項に関し変更があつたときは、直ちに、その旨を通報しなければならない。

一 法第二十二条第二号に掲げる船舶(水島航路を航行しようとする長さ七十メートル以上百六十メートル未満の船舶に限る。)
二 危険物積載船(前項各号に掲げる船舶を除く。)

3 巨大船等の船長は、航路を航行する必要が緊急に生じたとき、その他前二項の規定により通報をすることができないことがやむを得ないと航路ごとに次項各号に掲げる海上交通センターの長が認めたときは、前二項の規定にかかわらず、あらかじめ、前条各号に掲げる事項を通報すれば足りる。

4 前各項の規定による通報は、海上保安庁長官が告示で定める方法に従い、航行しようとする航路ごとに次の各号に掲げる海上交通センターの長に対して行わなければならない。

一 浦賀水道航路又は中ノ瀬航路 東京湾海上交通センター
二 伊良湖水道航路 伊勢湾海上交通センター
三 明石海峡航路 大阪湾海上交通センター
四 備讃瀬戸東航路、宇高東航路、宇高西航路、備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路又は水島航路 備讃瀬戸海上交通センター
五 来島海峡航路 来島海峡海上交通センター

(2)海上交通安全法 第15条~第21条

(明石海峡航路)
第十五条 船舶は、明石海峡航路をこれに沿つて航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならない。
(備讃瀬戸東航路、宇高東航路及び宇高西航路)
第十六条 船舶は、備讃瀬戸東航路をこれに沿つて航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならない。
2 船舶は、宇高東航路をこれに沿つて航行するときは、北の方向に航行しなければならない。
3 船舶は、宇高西航路をこれに沿つて航行するときは、南の方向に航行しなければならない。

第十七条 宇高東航路又は宇高西航路をこれに沿つて航行している船舶は、備讃瀬戸東航路をこれに沿つて航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない。この場合において、海上衝突予防法第九条第二項及び第三項、第十五条第一項前段並びに第十八条第一項(第三号及び第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該巨大船について適用しない。
2 航行し、又は停留している船舶(巨大船を除く。)は、備讃瀬戸東航路をこれに沿つて航行し、同航路から北の方向に宇高東航路に入ろうとしており、又は宇高西航路をこれに沿つて南の方向に航行し、同航路から備讃瀬戸東航路に入ろうとしている巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない。この場合において、第三条第一項並びに海上衝突予防法第九条第二項及び第三項、第十三条第一項、第十四条第一項、第十五条第一項前段並びに第十八条第一項(第三号及び第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該巨大船について適用しない。
3 第三条第三項の規定は、前二項の規定を適用する場合における備讃瀬戸東航路をこれに沿つて航行する巨大船について準用する。

(備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路及び水島航路)
第十八条 船舶は、備讃瀬戸北航路をこれに沿つて航行するときは、西の方向に航行しなければならない。
2 船舶は、備讃瀬戸南航路をこれに沿つて航行するときは、東の方向に航行しなければならない。
3 船舶は、水島航路をこれに沿つて航行するときは、できる限り、同航路の中央から右の部分を航行しなければならない。
4 第十四条の規定は、水島航路について準用する。
第十九条 水島航路をこれに沿つて航行している船舶(巨大船及び漁ろう船等を除く。)は、備讃瀬戸北航路をこれに沿つて西の方向に航行している他の船舶と衝突するおそれがあるときは、当該他の船舶の進路を避けなければならない。この場合において、海上衝突予防法第九条第二項、第十二条第一項、第十五条第一項前段及び第十八条第一項(第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該他の船舶について適用しない。
2 水島航路をこれに沿つて航行している漁ろう船等は、備讃瀬戸北航路をこれに沿つて西の方向に航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない。この場合において、海上衝突予防法第九条第二項及び第三項、第十五条第一項前段並びに第十八条第一項(第三号及び第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該巨大船について適用しない。
3 備讃瀬戸北航路をこれに沿つて航行している船舶(巨大船を除く。)は、水島航路をこれに沿つて航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない。この場合において、海上衝突予防法第九条第二項及び第三項、第十五条第一項前段並びに第十八条第一項(第三号及び第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該巨大船について適用しない。
4 航行し、又は停留している船舶(巨大船を除く。)は、備讃瀬戸北航路をこれに沿つて西の方向に若しくは備讃瀬戸南航路をこれに沿つて東の方向に航行し、これらの航路から水島航路に入ろうとしており、又は水島航路をこれに沿つて航行し、同航路から西の方向に備讃瀬戸北航路若しくは東の方向に備讃瀬戸南航路に入ろうとしている巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない。この場合において、第三条第一項並びに海上衝突予防法第九条第二項及び第三項、第十三条第一項、第十四条第一項、第十五条第一項前段並びに第十八条第一項(第三号及び第四号に係る部分に限る。)の規定は、当該巨大船について適用しない。
5 第三条第三項の規定は、前二項の規定を適用する場合における水島航路をこれに沿つて航行する巨大船について準用する。

(来島海峡航路)
第二十条 船舶は、来島海峡航路をこれに沿つて航行するときは、次に掲げる航法によらなければならない。この場合において、これらの航法によつて航行している船舶については、海上衝突予防法第九条第一項の規定は、適用しない。
一 順潮の場合は来島海峡中水道(以下「中水道」という。)を、逆潮の場合は来島海峡西水道(以下「西水道」という。)を航行すること。ただし、これらの水道を航行している間に転流があつた場合は、引き続き当該水道を航行することができることとし、また、西水道を航行して小島と波止浜との間の水道へ出ようとする船舶又は同水道から来島海峡航路に入つて西水道を航行しようとする船舶は、順潮の場合であつても、西水道を航行することができることとする。
二 順潮の場合は、できる限り大島及び大下島側に近寄つて航行すること。
三 逆潮の場合は、できる限り四国側に近寄つて航行すること。
四 前二号の規定にかかわらず、西水道を航行して小島と波止浜との間の水道へ出ようとする場合又は同水道から来島海峡航路に入つて西水道を航行しようとする場合は、その他の船舶の四国側を航行すること。
五 逆潮の場合は、国土交通省令で定める速力以上の速力で航行すること。
2 前項第一号から第三号まで及び第五号の潮流の流向は、国土交通省令で定めるところにより海上保安庁長官が信号により示す流向による。
3 海上保安庁長官は、来島海峡航路において転流すると予想され、又は転流があつた場合において、同航路を第一項の規定による航法により航行することが、船舶交通の状況により、船舶交通の危険を生ずるおそれがあると認めるときは、同航路をこれに沿つて航行し、又は航行しようとする船舶に対し、同項の規定による航法と異なる航法を指示することができる。この場合において、当該指示された航法によつて航行している船舶については、海上衝突予防法第九条第一項の規定は、適用しない。
4 来島海峡航路をこれに沿つて航行しようとする船舶の船長(船長以外の者が船長に代わつてその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)は、国土交通省令で定めるところにより、当該船舶の名称その他の国土交通省令で定める事項を海上保安庁長官に通報しなければならない。
第二十一条 汽笛を備えている船舶は、次に掲げる場合は、国土交通省令で定めるところにより信号を行わなければならない。ただし、前条第三項の規定により海上保安庁長官が指示した航法によつて航行している場合は、この限りでない。
一 中水道又は西水道を来島海峡航路に沿つて航行する場合において、前条第二項の規定による信号により転流することが予告され、中水道又は西水道の通過中に転流すると予想されるとき。
二 西水道を来島海峡航路に沿つて航行して小島と波止浜との間の水道へ出ようとするとき、又は同水道から同航路に入つて西水道を同航路に沿つて航行しようとするとき。
2 海上衝突予防法第三十四条第六項の規定は、来島海峡航路及びその周辺の国土交通省令で定める海域において航行する船舶について適用しない。

(3)海上交通安全法第5条

(速力の制限)
第五条 国土交通省令で定める航路の区間においては、船舶は、当該航路を横断する場合を除き、当該区間ごとに国土交通省令で定める速力(対水速力をいう。以下同じ。)を超える速力で航行してはならない。ただし、海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでない。

海上交通安全法施行規則 第4条

(速力の制限)
第四条 第五条の国土交通省令で定める航路の区間は、次の表の上欄に掲げる航路ごとに同表の中欄に掲げるとおりとし、当該区間に係る同条の国土交通省令で定める速力は、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
航路の名称
航路の区間
速力
浦賀水道航路
航路の全区間
十二ノット
中ノ瀬航路
航路の全区間
十二ノット
伊良湖水道航路
航路の全区間
十二ノット
備讃瀬戸東航路
男木島灯台(北緯三十四度二十六分一秒東経百三十四度三分三十九秒)から三百五十三度に引いた線と航路の西側の出入口の境界線との間の航路の区間
十二ノット
備讃瀬戸北航路
航路の東側の出入口の境界線と本島ジョウケンボ鼻から牛島北東端まで引いた線との間の航路の区間
十二ノット
備讃瀬戸南航路
牛島ザトーメ鼻から百六十度に引いた線と航路の東側の出入口の境界線との間の航路の区間
十二ノット
水島航路
航路の全区間
十二ノット

(4)海上交通安全法第20条

三級海技士(航海)筆記問題
三級海技士(航海)筆記問題(全問掲載済み) 平成22年7月から平成30年2月定期試験までの問題を調べたものです。 参考文献 東京海洋大...