三級海技士(機関)機関一 筆記問題 補助ボイラ 運転及び保守(1)

三級海技士(機関)機関一 筆記問題 補助ボイラ 運転及び保守(1)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題1

補助ボイラを開放復旧後,点火して気醸する場合に関して,次の問いに答えよ。

(1) ボイラを復旧し点火準備の終了後,最初に点火する場合の注意事項は,何か。

(2) 最初の点火から使用蒸気圧に達するまでの時間を十分にとるのは,なぜか。

(3) ボイラの蒸気圧が0.2~0.3MPaに達した場合,どのような作業を行うか。

【出題:23/07,25/07,29/07】

解答1

(1) ① ボイラ開放前にボイラ燃料油ラインをA重油に切り換えておき,燃料油はA重油を使用する。

② 重油バーナには気醸用のチップを使用する。

③ 送風機を始動して,燃焼室,煙道内を十分に換気する。

④ 点火に際しては,万一逆火が起こっても点火を行う者が危険のないような位置で行う。

⑤ バーナに確実に着火したことを確かめて,空気調節器を全開とし,火炎の状態をみながら風量を調節する。

(2) ボイラが冷態状態となっており,急激に昇圧すると,ボイラ各部の温度が一様に上昇せずに不同膨張を起こし,このためボイラに不等な熱応力を生じ,亀裂や漏えいを起こす可能性がある。また,れんが積みも局部的に過熱状態となり無理な膨張を起こして,亀裂を生じやすくなる。

(3) ① マンホールドア及びハンドホールを固定しているボルト・ナットの増し締めを行う。

② 各部に漏れがないかどうか確かめる。

③ 蒸気止め弁を少し開き,弁の固着を防ぐ。

問題2

補助ボイラにおいて,汽醸中の注意事項をあげよ。 【出題:23/02,28/07】

回答2

① 蒸気が発生するまでの間は,できる限り徐々に加熱を行う。

② 空気抜き弁から十分空気が追い出された後に空気抜き弁を閉じる。

③ 蒸気圧が上がり始めたら各部を点検し,漏れはないか,温度が平均に上昇しているか確認する。

④ ボイラ圧が0.2~0.3MPaに達したらマンホールなどの増締めを行う。

⑤ さらにボイラ圧が0.4MPaくらいに上昇したら蒸気弁の開閉をこころみて,弁の固着を防止する。

⑥ 水面計の試験を行い水位を確認する。気醸中は水位が上昇するので注意する。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
このページでは、三級海技士(機関)の筆記試験問題に関する説明を行います。