本日の写真は、軸アース装置。
プロペラが回転中、プロペラ軸及び主機関の軸は、潤滑油によって浮いた状態になっています。ちょっと分かりにくいですかね。潤滑されているので、金属接触をしていない状態といった方が分かりやすいでしょうか。
このため、船体(最も近い部分として軸受)とプロペラ軸との間には、電位差を生じます。
この時、電位差が高くなると比較的電気抵抗の弱い部分で流電が起こります。
この流電による浸食をスパークエロージョンといいます。
これを防止するため、プロペラ軸と船体との電位差を無くす装置が軸アース装置です。
簡単に言うと、軸アース装置は、電気を通すカーボン製のブラシを軸の表面に付けられているスリップリングに押し当てています。
このため、ブラシの接触面は、常に清浄に保たなければなりません。
特に、油分の付着(油系の洗浄剤も含む)は、避けなければなりません。
また、カーボン製のブラシは、できる限り純正のものを使用することをお勧めします。安い代替品を使用して、ディーゼル主機関の主軸受けにスパークエロージョンを生じたという例も聞いております。
メンテナンスを行う際は、十分お気を付けください。
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