三級海技士(機関)機関二 筆記問題 誘導電動機(3)

三級海技士(機関)機関二 筆記問題 誘導電動機(3)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関二に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

三相誘導電動機に関する次の問いに答えよ。

(1) 始動法には,どのようなものがあるか。 【出題:23/02,25/02,27/07】

(2) 始動時,うなりを生じる場合の原因は,何か。 【出題:25/02,27/07】

(3) 負荷が少なくなると,力率が低下する理由は,何か。 【出題:25/02,27/07】

(4) 絶縁抵抗が湿気のために低下した場合には,どのような乾燥法があるか。(名称をあげよ。)また,そのときの一般的な注意事項は,どのようなことか。 【出題:23/02】

解答

(1) ① 全電圧始動法(直入れ始動法) ② スターデルタ(Y-△)始動法
③ 始動補償器法 ④ リアクトル始動法 ⑤ 二次抵抗始動法
※ ①~④はかご形,⑤は巻線型に用いられる。

(2) ① 電源電圧の不平衡。
② 回転子及び固定子巻線の断線や短絡。
③ 固定子と回転子間のギャップの不均等。
④ 軸受の摩耗。

(3) 誘導電動機は,その磁気回路にギャップがあるため磁気抵抗が大きく,励磁電流が大きい。この励磁電流は電圧より約90°遅れる電流であるため,力率は極めて悪い。また,負荷に関係なくこの励磁電流はほぼ一定であり,負荷の減少に伴って負荷電流(励磁電流と補償電流の和)に対する励磁電流の割合が大きくなるため,力率は低下する。

(4) ① 電熱器と乾燥機を組み合わせた電熱温風乾燥法によって,送風機の送風量と電流による電熱量を加減して,温風(熱風)の温度を調整しながら乾燥させることができる。この場合,高温度で急いで乾燥させることは避け,絶縁抵抗の変化を随時記録しながら徐々に乾燥させる。
② 電熱器,送風機,電熱温風ヒーターなどがない場合,誘導電動機の巻線自体に電流を流し,ジュール熱の発生によって乾燥させる方法がある。この場合,回転子を短絡して低電圧を入れて過熱するが,温度上昇や過電流には十分注意する必要がある。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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