三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ軸系(7)

三級海技士(機関)機関一 筆記問題 プロペラ軸系(7)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

海水潤滑式船尾管の支面材に用いられるゴム軸受に関して,次の問いに答えよ。【出題:23/02,27/02,28/07】

(1) 支面材としての利点は,何か。(4つあげよ。)

(2) 軸受部に多量の水を供給する必要があるのは,なぜか。

(3) プロペラ軸を船尾管に挿入する場合,軸受面にグリースを塗るか,それとも塗らないか。また,それはなぜか。

解答

(1) 以下のうちから4つを解答する。

① 動力損失が少ない。

② 摩耗が少ない。

③ プロペラ軸及びスリーブを傷つけない。

④ 防音及び防振効果がある。

⑤ 海水汚損がない。

⑥ 異物を埋め込むことができる。

⑦ 外力によって変形するので局部的な片当たりがなく,過重を平均化し,船尾管後端部への集中荷重を減少させて異常摩耗がなくなる。

(2) ゴム軸受は,水に濡れた状態において摩耗係数が非常に小さく耐摩耗性に優れているが,水が無くなるとたちまち焼付きを起こすため多量の水を供給する必要がある。

(3) グリースは塗らない。

【理由】

① 油分がゴムを膨張させ,内径が小さくなり焼付きの原因となる。

② 油分により,ゴムの劣化を招きゴム軸受の寿命を短くするため。

③ グリースなどの固形物は,水溝を塞ぐ原因となる。水溝が塞がれると,潤滑及び冷却剤として必要とされる水の供給が減少し,軸受の摩耗あるいは焼付きを起こすこととなる。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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