三級海技士(機関)機関一 筆記問題 補助ボイラ 故障の探知,故障個所の発見及び損傷の防止
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
補助ボイラのプライミングに関する次の問いに答えよ。
(1) プライミングとは,どのような現象か。【出題:23/04,27/07】
(2) プライミングが発生する原因は,何か。【出題:23/04,27/07,28/04】
解答
(1) プライミングとは,水面に達した蒸気泡が水面で破れる際に,その気泡を包んでいた水膜が激しく破裂し,その時に微粒水滴が蒸気室中に飛散・浮遊する現象のこと。
(2) プライミングの発生原因は物理的原因と科学的原因に分けられる。
【物理的原因】
① 急激な負荷(蒸発量)の増加
② ボイラ水の異常増加(高水位)
③ フォーミング
④ 気水分離器(装置)の不良
⑤ 蒸気ドラム蒸気部容積及び蒸発水面の減少。
⑥ 蒸気ドラム内の蒸気速度の増加。
【科学的原因】
① ボイラ水にりん酸ナトリウムや塩化ナトリウムが多いとき。(ボイラ水濃度が高過ぎる時(塩類))
② 溶解固形分が多いとき。
③ シリカが蒸気中に溶解するとき。
④ 油脂類が多いとき。
⑤ ボイラ水中のアルカリ性物質と作用し,せっけんになるような有機物があるとき。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年