ディーゼル機関の燃焼用空気の流れ

おはようございます。

本日は、勉強方法について少しお話ししましょう。

例として、船舶の大型ディーゼル主機関(ロングストローク,過給機付)の燃焼用空気の流れを考えましょう!

えっ、「燃焼用空気って、そもそも何?」、ですって?!

そもそも、ディーゼル主機関とは何をするものでしょう???

結構、新入社員にこういう質問をすると分かっていないというか、質問の意味が理解してもらえないということが多々あります。

機関の試験勉強をする上で、大切なこと、それは、まず、その機関が何のため(存在する目的)にあるか?

次に、目的を果たすために、どのような原動力で作動しているか?

そのために必要な要素は?その構造は?といった風に考えなければなりません。

海技試験の勉強をしていると、構造について聞かれることがあると思いますが、そもそも役割(目的)が何なのかが分からなければ、何故、そんな構造になっているのか理解することが出来ません。

えっと、よくわからない??

さて、元の例に戻って、2サイクルディーゼル主機関の燃焼用空気の流れを考えてみましょう。

まず、ガソリン機関やディーゼル機関は、シリンダー内で燃料と空気を混合させて爆発的に燃焼させて、その燃焼圧力でピストンを動かし、クランク機構を介して、軸を回すというものですね。その軸の回転をプロペラを回すために使用するのが主機関です。

燃料と空気を混合させてね(ディーゼル機関の場合、燃焼用空気中に燃料を噴射して混合)。

では、どれだけの空気を送り込めば良いですか?

そう、普通に考えるとその燃料を完全燃焼させるために必要な空気量(理想空気量)ですね。

しかし、その理想的な空気量をシリンダー内に送り込むためには、ただ単にピストンが下降するポンプ作用だけで大丈夫でしょうか?そもそも2サイクル機関の場合、ピストンが下降するだけで、空気を吸い込むことができるのでしょうか?また、理想の空気量だけで完全燃焼するでしょうか?

(ここで、2サイクルディーゼル機関の構造,空気過剰率について調べましょう)

まあ、ここまで質問されれば、何かを使って空気を押し込むという答えが導かれると思います。

ということで、2サイクルディーゼル主機関には、過給機というものが付いていますね。

これで、空気を押し込んでいるのです。

この過給機、結構な高回転で回っています。そして高音でうるさいですよね。

さて、過給機(のブロア)で空気を圧縮して押し込んでいるわけですが、空気を圧縮するとどうなりますか?

そう、温度が上昇しますね。

この空気を冷やして更に給気効率を上げようというのが、インタークラー(空気冷却器)の役割ですね。

その次は、集合管を通って、各シリンダーの掃気室に入り、ピストンが掃気ポートより下にくれば、空気が掃気ポートからシリンダー内に流入します。

※縦の細い穴が掃気ポート

そして、ピストンが下死点を過ぎて再びピストンが上がり、掃気ポートを過ぎれば、圧縮が開始されます。

※ 掃気ポートがピストンで塞がった状態

そして、次は、燃料噴射と燃焼→排気弁が開いて排気といった具合です。

さらに、その排気は、どこへ行くのか?

排気マニホールドに入って、次は、その排気で過給機のタービンを回し、タービンと同じ軸に取り付けられているブロアで、吸気を圧縮しているのです。

(ここで、過給機の構造について勉強しましょう)

とりあえず、こんな流れで。

もし、口述試験の試験官なら、ここから、いくらでも次の問題へと繋げられます。

例えば、空気過剰率,排気弁の弁線図,静圧過給・動圧過給,排気干渉,過給機のサージングなどなど

結局、何が言いたかったかというと、1つの問題は、独立して勉強するのではなく、それに関連付けて覚える方がよいというお話でした。

では、問題、「ディーゼル主機関の燃料の流れを説明せよ」。

この問題も、突っ込んでいけば、いくらでも広がります。

ここで、重要なのは、燃料を最終的にどうしたいのか?ということを考えることです。

そのために、流れが存在し、色んな機器類が存在するのです。

ちょっと話が下手だったかも知れませんが、また、そこは、改めて。