三級海技士(機関)機関三 筆記問題 船舶工学(1)

三級海技士(機関)機関三 筆記問題 船舶工学(1)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関三に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題1

プロペラの見掛けのスリップ比と真のスリップ比をそれぞれ説明せよ。

【出題:25/02,27/10】

問題2

プロペラのスリップ比に関する次の問いに答えよ。 【出題:26/04】

(1) 船では,一般に真のスリップ比より見掛けのスリップ比のほうが使われるのは,なぜか。
(2) 見掛けのスリップ比が大きくなる原因には,どのようなものがあるか。

解答1

【見かけのスリップ比】プロペラがN回転すると,プロペラのピッチPのN倍だけ船は進まなければならない。しかし,実際には,これにより少ない距離しか進まない。この差差を見かけのスリップという。船速をVとすると以下のような式で表される。

この見かけのスリップとプロペラ速度との比を見かけのスリップ比といい,次式で示される。単位は通常%である。

【真のスリップ比】船の周囲の水は,船の進行方向と同じ方向へ流れるある流れをもっている。この流れのことを伴流という。このため,水とプロペラとの相対前進速度は,船の速度より伴流がある分だけ遅くなる。このプロペラの前進速度Vaを船速Vの代わりに用いて計算したものを真のスリップといい,この真のスリップとプロペラ速度との比を真のスリップ比という。

解答2

(1) 真のスリップ比を求めるためには,プロペラ付近の伴流速度を求める必要がある。しかし,実際の船では,プロペラ付近の伴流速度を実測することができない。このため,見掛けのスリップ比が一般に使われる。

(2) ① 船体の抵抗が増加した場合(船体の汚れ,荒天時,逆風,逆潮)
② 主機関の回転速度が増加した場合
③ プロペラ羽根が変形した場合
④ 軽喫水のためにプロペラの深度が甚だしく浅くなっている場合
⑤ 水深が浅い所を航行する場合

三級海技士(機関)筆記試験問題
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