三級海技士(機関)機関二 筆記問題清浄機(2)

三級海技士(機関)機関二 筆記問題清浄機(2)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関二に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

遠心油清浄機(分離板形)に関する次の問いに答えよ。【出題:26/04】

(1) 運転中,清浄された油は,回転体内の外側に集まるか。それとも内側に集まるか。また,それは,なぜか。

(2) 清浄油を清浄する場合,加熱温度を適当にする必要があるのは,なぜか。

(3) 傾斜した分離板を多数重ねて,使用するのは,なぜか。

(4) 遠心油清浄機による油の清浄が,沈でん分離による方法より優れているのは,なぜか。

解答

(1)・清浄された油は内側に集まる。

・油は高速回転する分離版によって遠心力を受け,密度差によって分離し,密度の大きい水,固形分が外側に,軽い油は内側に集まる。

(2) ① 粘度を下げる。
② スラッジの粒子と油の密度差を大きくする。

(3) ① 分離板の重なりの隙間が狭いため,この隙間の間にある油は,粘性によって,分離板とともに回転することによって,遠心力の低下を防止できる。
② 不純物は,沈殿距離が短く短時間で分離板下面に沈殿する。
③ 沈降面積を大きくできる。

(4) 遠心清浄のほうが沈殿分離による方法より不純物に作用する力が,はるかに大きく,分離速度が速い。

コメント

分離板が重なっている間(狭い空間)に油を入れることによって,油が分離板と一緒に回転して,油に遠心力が与えられます。例えば,バケツに水を入れて,取っ手を持って回してみると,水はバケツと同じ速度では回りませんよね~。もし分離板が無いと,回転体だけが回って,回転体の外側に近いところだけ回ってしまうという状態になってしまします。これでは,油に遠心力を与えることが出来ないので,分離板を入れているのです。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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