三級海技士(機関)機関一 筆記問題 ディーゼル機関(31)主軸受1
以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関一に関する過去問題です。
※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。
問題
ディーゼル機関の主軸受に関する次の問いに答えよ。
【出題:24/10,27/07, 29/10】
(1) 油溝を円周方向に設ける場合,軸心に直角にせず図のように斜めにする場合の利点は,何か。また,油溝は,軸方向に設けないほうがよいのは,なぜか。
(2) 軸受裏金の背面と台板の密着が悪いと,どのような害が生じるか。
(3) 大形機関の場合,図のように,軸受上下メタルの合わせ面を油隙間量の半分程度当たりを逃がすのは,なぜか。
解答
(1)・軸受荷重が大きいときは長時間使用する間に,油溝に対応する軸の部分だけ摩耗せずに段がつき,油膜ができにくくなるのを防ぐことができる。
・軸の回転中の油膜の圧力が油溝のない場合は,(a)図のように1つの圧力曲線pによっていたものが,油溝を軸方向に設けると(b)図のように圧力曲線は非常に減少した2つのp1とp2に分けられるから有害である。
(2) 熱の伝導が悪く,焼付きを生じることがあり,また,軸受に荷重がかかったとき裏金が変形し,メタルに亀裂を生じたり,はがれたりすることがある。
(3) ① 軸受上半分を締めると合わせ面が幾分か内側にたわむ傾向のものが多く,そのため,あらかじめたわみ量に相当して内側を削り適正な油隙間を守る。
② 軸受を冷却する潤滑油量を増す。
参考文献
機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年
東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年
機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年