三級海技士(機関)機関二 筆記問題 自動制御装置(1)

三級海技士(機関)機関二 筆記問題 自動制御装置(1)

以下は,三級海技士(機関)筆記試験,機関二に関する過去問題です。

※ 出題時期は,平成22年7月から平成29年4月定期試験までの問題を調べたものです。

問題

自動制御装置に関する次の問いに答えよ。

(1) 制御系において,外乱とは,どのような作用をいうか。 【出題:24/07,27/02】

(2) 船舶に使用される制御系において,シーケンス制御を応用した制御には,どのようなものがあるか。(3つあげよ。) 【出題:24/07,26/07】

(3) 船舶に使用される制御系において,プログラム制御を応用した制御には,どのようなものがあるか。(2つあげよ。) 【出題:24/07】

(4) オンオフ動作とは,どのような制御動作か。また,どのような制御対象に利用されているか。(1つあげよ。) 【出題:24/04,25/10,27/02,28/07】

(5) 船舶に使用される制御系において,フィードバック制御を応用した温度制御には,どのような装置があるか。(具体例を1つあげ,その作動を説明せよ。) 【出題:26/07】

(6) フィードバック制御は,信号の経路によって分類すると,開ループ系に該当するか,それとも閉ループ系に該当するか。 【出題:27/02】

(7) 制御装置におけるフェールセーフとは,どのようなことか。 【出題:24/04,25/10,28/07】

解答

(1) 制御系の状態を乱そうとする外的な作用

(2) ① 主機スタンバイシーケンス
② ボイラの自動点火から消火までのシーケンス
③ ボイラのスートブローの自動制御
④ ブラックアウト時の発電機自動始動
⑤ S/B発電機の自動始動及び並列投入

(3) ① ディーゼル船のA-C重油自動切替え装置
② ディーゼル主機回転速度を,スタンバイフルから航海速力に上げるとき,プログラム制御を利用して時間をかけて徐々に回転を上昇させる。
③ 蒸気タービン船のオートスピニング装置

(4) オンオフ制御は,操作量又は操作量を支配する信号が,入力の大きさにより,2つの定まった値のどちらかをとる動作のこと。
制御対象:
① 液面制御(小形ボイラの水位,燃料タンクの油面,飲料水ポンプやビルジポンプの自動発停など)
② 圧力制御(空気圧縮機の自動発停。圧力が下がれば始動し,ある圧力になったら停止する。)
③ 温度制御(加熱蒸気弁の開度で温度を一定に保つ。)
(5) 油ヒータの加熱温度制御など。
油(潤滑油・燃料油等)の加熱温度を一定に保つため,サーモスタットの温度センサ(検出器)部分でヒータ出口の油温を測り,温度調節器に油温を信号として送る。温度調節器では,設定した温度との差を検出し,設定以下であればヒータの電源を入れ,設定以上であればヒータの電源を切り,ヒータのON-OFFにより加熱温度を一定に保つ。この一連の流れをブロック図で書くと下図のようになり,フィードバック制御という。

フィードバック制御では,SVとPVの偏差e(Deviation)をゼロにするように,様々なアルゴリズムを用いてMVを演算子,調節出力する。
なお,外気温度のように温度に直接影響を与えるものを外乱という。

(6) 閉ループ系に該当する。

(7) フェールセーフとは,アイテムに故障が生じても,安全性が保持されるように配慮してあること。

参考文献

機関科口述試験研究会編:機関科三級 口述標準テスト,海文堂,1999年

東京海洋大学海技試験研究会編:海技士3E 徹底攻略問題集,海文堂,2011年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成28年度版,成山堂書店,2016年

機関技術研究会編:最近3か年シリーズ 三級海技士(機関)800題 平成30年度版,成山堂書店,2018年

三級海技士(機関)筆記試験問題
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